「卑弥呼の宮殿」1棟は存在せず 奈良・桜井の纒向遺跡 

想定していた建物跡が見つからなかった纒向遺跡の調査現場=1月31日、奈良県桜井市

 「女王卑弥呼の宮殿」があったとも言われる奈良県桜井市の纒向遺跡で、東西方向に4棟が一直線に並ぶと考えられていた建物群(3世紀前半)のうち、西端の1棟が想定の場所に存在しなかったことが発掘で分かり、同市纒向学研究センターが1日、発表した。

 1978年に部分的に行われた調査で、この1棟の一部とみられる柱穴が見つかり、卑弥呼の宮殿の付属施設とも考えられていたが、“幻”と判明した。

 残り3棟は、2009年の調査で大部分の柱穴を発見し、柵で囲まれた空間の中に整然と並んでいたことを確認。同センターは「遺跡の価値や評価に大きな影響を与える結果ではない」としている。


  • LINEで送る