震災での波動が超高速で伝搬 電離圏で大型レーダー観測 

 東日本大震災のM9・0の地震で生じた波動が、震源から2千キロ近く離れたオホーツク海域の電離圏(上空250キロ付近)を超高速で伝わっていく状況を、名古屋大太陽地球環境研究所(太陽研)が北海道陸別町で運用している大型短波レーダーが捉えていたことが26日までに分かった。

 太陽研によると、地震の波動は、地表面や海表面の揺れで大気が盛り上がることで発生し、電離圏まで到達すると考えられている。今回、秒速6・7キロという超高速波動の観測に世界で初めて成功。太陽研は「観測が難しい海域などでも、波動が広域に伝わっていく様子を電離圏の変動データから推定できることが分かった」としている。


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