熊本の私立ハンセン病施設が閉鎖 明治以来の歴史に幕 

閉鎖した私立ハンセン病療養所の「待労院診療所」=9日、熊本市西区

 全国に二つしかない私立ハンセン病療養所の一つ「待労院診療所」(熊本市西区)が10日、閉鎖した。国立療養所への移転などで入所者がいなくなったためで、明治から100年以上続いた歴史に幕を下ろした。

 私立のハンセン病療養所は静岡県御殿場市の「神山復生病院」だけになる。待労院の関係者は「国立療養所がきちんと(入所者を)見てくれるので安心している」と話した。

 待労院は、布教のため来日したフランス人神父が熊本市で路上生活を送るハンセン病患者の惨状を目の当たりにし、1898年に創設。ピークの1948年には約120人が暮らしていたが、昨年11月に入所者がいなくなった。


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