養殖マグロ、海洋で育つ 近畿大、放流後の生存確認 

放流された完全養殖クロマグロの幼魚。背びれの黄色い棒が標識(近畿大提供)

 人工環境でふ化し飼育された完全養殖クロマグロの幼魚約1800匹を和歌山県串本町沖などから10月に放流したところ、12月までに静岡県から和歌山県にかけての海で8匹が捕獲されたと近畿大水産研究所(和歌山県白浜町)が13日、発表した。

 近畿大によると、完全養殖クロマグロが自然環境でも生きられることを示したのは世界初。坂本亘教授は「配合飼料で育った幼魚が海で魚を捕らえられるか心配だった。天然資源の減少が国際的な問題となっているクロマグロの個体回復、維持につなげたい」とした。

 近畿大は2002年、クロマグロの完全養殖に成功した。


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