国循がダチョウから人工血管開発 細くて長い、世界初 

ダチョウの首の動脈を手にする国立循環器病研究センターの山岡哲二生体医工学部長=21日、大阪府吹田市

 ダチョウの長い首の血管を加工し、穴の直径約2ミリ、長さ約30センチの血管を作ることに成功したと国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)が21日、発表した。

 この人工血管をミニブタに移植し、詰まることなく使用できることを確かめた。センターの山岡哲二生体医工学部長は「ヒトの治療に使えるような細くて長い人工血管の開発は世界初。3年後の臨床応用を目指したい」としている。

 山岡部長らは、食用ダチョウの首の動脈に、1万気圧の高い圧力をかけ細胞や雑菌を除去し、コラーゲンなどでできた管を作った。管の穴の表面には血管の細胞がくっつく物質を付けた。


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