原発ゼロ目標、言及なし 11年度版エネルギー白書 

閣議に臨む野田首相=16日午前、首相官邸

 政府は16日、2011年度版のエネルギー白書を閣議決定した。東電福島第1原発事故を教訓に「エネルギー政策をゼロベースで見直す」としたが、9月に決めた原発ゼロ目標を掲げるエネルギー・環境戦略には言及しなかった。

 経産省は「白書はことし7月末ごろまでの動きを記述対象としているため」と説明するが、現政権の原発政策の核心部分が抜け落ちた印象は否めない。

 白書は、震災や原発事故で「エネルギーの安定供給体制の脆弱性や、原子力の安全確保に関する課題が浮き彫りになった」と指摘。電力需給が逼迫した際に産業への影響を回避する方策や、災害時の石油製品の供給体制などを課題として挙げた。


  • LINEで送る