東大寺宝冠に弥生の勾玉か 千年受け継がれた可能性も 

不空羂索観音像の宝冠と化仏=奈良市

 東大寺法華堂(奈良市)の本尊・不空羂索観音像(国宝、8世紀)の宝冠を飾る1万数千点の玉類に、弥生―古墳時代のガラス玉が多数使われていることが分かり、分析した中井泉東京理科大教授(分析化学)らが27日、発表した。

 中でも勾玉1点の成分は、弥生時代に多く輸入されたガラスの特徴を示しており、最も古く考えると、約千年間、権力者に代々受け継がれた“お宝”が宝冠に使われた可能性もある。

 宝冠を作らせた人物は不明だが、共同研究者の井上暁子東海大非常勤講師(ガラス工芸史)は「高い身分の人が特別な思いを託して先祖伝来の貴重な宝物を冠にささげたのだろう」としている。


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