認知症のポト派元最高幹部釈放 事実上公判打ち切り 

イエン・チリト被告

 【プノンペン共同】カンボジアで1970年代後半に虐殺などで200万人近くを死に追いやったとされるポル・ポト政権の元幹部らを裁く特別法廷は16日、元ポト派最高幹部4被告のうち社会問題相だったイエン・チリト被告(80)を、認知症で裁判を受けられる状態ではないとして釈放した。

 訴追自体が取り消されたわけではないが、病状の改善は見られず公判再開の見通しもない状態で、事実上裁判の打ち切りに等しい。犠牲者の遺族や被害者らの間では失望と反発の声が上がっている。

 被告は同日、勾留施設からプノンペン市内の自宅に移った。


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