南海トラフ死者最大32万人想定 30都府県、津波犠牲が7割 

「南海トラフ」沿いの巨大地震が発生した場合の被害想定について記者会見する中川防災相=29日午後、東京・霞が関

 内閣府は29日、東海沖から四国沖の「南海トラフ」沿いで巨大地震が発生した場合、関東以西の30都府県で最大32万3千人が死亡するとの被害想定を発表した。冬の深夜に最大級の地震が起き、駿河湾から紀伊半島沖を中心に大津波となったケースで、津波の死者が約7割を占める。2003年の前回推計2万4700人や東日本大震災の死者・不明者約1万9千人を大きく上回る。政府は最悪の事態に備え、特別法の検討を急ぐ方針だ。

 中川正春防災担当相は記者会見で「発生確率は極めて低いが、犠牲者を出さないよう国が全力を挙げる」と述べた。

 東日本大震災を教訓に震源域の広さを従来の約2倍、地震の規模をマグニチュード(M)9クラスに高めた。都府県別の死者数は、静岡県が最多の10万9千人。負傷者は全国で62万3千人に上る。


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