林芙美子の手紙公開 疎開の様子つづる、広島 

文学記念室で公開されている作家林芙美子が川端康成に宛てた手紙の一部=19日、広島県尾道市

 小説「放浪記」などで知られる作家林芙美子が同じ作家の川端康成に宛てた手紙の一部が新たに見つかり、広島県尾道市の文学記念室で公開されている。戦時中に疎開した長野県での生活の様子などを伝えている。公開は9月2日まで。

 公開されている手紙は、芙美子が長野県山ノ内町の角間温泉に滞在していた際、2枚の和紙にしたためたもの。「毎日しんしんと、そこ気味悪く降る雪をながめております」と信州の厳しい冬について描写をしつつ、軍による言論への圧力を暗に表現した記述もみられる。

 新たに見つかったのは手紙の前半の1枚で、遺族から借りた資料の中にあった。


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