【高校野球】千葉県勢、甲子園V遠ざかり半世紀 なぜ?現在地を探る

第94回選抜高校野球大会2回戦で敗れ悔しがる木更津総合ナイン=3月25日、甲子園
第94回選抜高校野球大会2回戦で敗れ悔しがる木更津総合ナイン=3月25日、甲子園

 第94回選抜高校野球大会は大阪桐蔭の優勝で幕を閉じた。千葉県勢のセンバツ優勝は過去一度もなく、夏の全国選手権優勝は1975年の習志野が最後。約半世紀、日本一がない。対照的に千葉の周辺都県は平成以降優勝旗を手にしている。県勢の現在地と原因を探る。

 木更津総合は今大会2回戦敗退。異例となる2試合連続でタイブレークが適用される延長十三回までもつれ、金光大阪に3―4で逆転サヨナラ負け。山梨学院戦と比べどこか緊張が目立ち、シートノック時から3回ほど送球が一塁側カメラ席へ飛び込んだ。

 珍しい判定も含め、様々な出来事ばかりの試合。しかし五島卓道監督も言ったように敗因は「打てなかった」に尽きる。木更津総合が過去挙げた勝ち星のほぼ全てが先行逃げ切り。1回戦と異なり、先制点を譲っている。延長前にプランは崩れていた。

 打力は「打開力」を生む。劣勢を打破するために必須だ。木更津総合は金光大阪とのタイブレーク時以外、大会を通じ適時打がなかった。相手右腕のスライダーを狙い球としていたが迷いが生じ計10三振。送りバント失敗もあり、回が進むごとに追い込まれていった印象だ。秋季千葉県大会6試合で81得点を重ねている今年の代でも、抑えられてしまった。

◆千葉は守備型

 木更津総合を筆頭に、昨夏県優勝の専大松戸も投手が中心の守備的なチーム。千葉は公立高校が引っ張った歴史が長く、伝統的に守備型のチームが多い。外野前に転がる打球を長打にする走塁など「隙を見せず相手の隙を突く」緻密で複雑な野球が浸透している。それらに対抗するため、まず守備をベースにしないと県で勝ち上がれない背景がある。

 全国的には金属バットの性能をフル活用した「パワー野球」が主流だ。アーチを架け、打ってなんぼ。一発長打攻勢は勢いを生み、大きな点差は投手の負担も軽減する。甲子園上位校は複雑な野球に対応できつつ、そろって打力がある。

 とはいえ大阪桐蔭のように全国から屈強で有望な選手が集まる高校は千葉にはない。まねできる野球ではなく、2024年には低反発の「飛ばないバット」が導入され構図は逆転するかもしれない。19年春の習志野など、県勢は10年に一度の割合で春夏の甲子園決勝へ進み望みをつないでいる。

 完全に出遅れている訳ではない。しかし、優勝を果たすならば時代とともにアップデートは必須となる。投手の起用法も「背番号1」に頼り切りでは日本一は厳しい。たとえ甲子園でも、腹をくくった継投や先発ローテーションは必須。「投手を複数そろえる」ではなく「投手を複数登板させる」ことが上位の鍵ではないか。国学院久我山(東京)は大胆な投手起用で今春4強へ進んだ。

◆“流出”避けられず

 千葉には「佐倉シニア」や「京葉ボーイズ」など ・・・

【残り 1260文字、写真 2 枚】



  • LINEで送る