エース苦難克服へ 心に伝わる演技を 新体操 皆川夏穂(千葉市美浜区出身)【JUMP!いざ祭典へ】第1部(6)

リボン演技の練習をする皆川夏穂=東京都北区
リボン演技の練習をする皆川夏穂=東京都北区
東京五輪へ「人の心に伝わる演技をしたい」と意気込む皆川
東京五輪へ「人の心に伝わる演技をしたい」と意気込む皆川

 170センチの長身から、新体操王国ロシア仕込みの華麗な演技で観客を魅了する。昨秋の世界選手権は個人総合13位に入り、16位までの国・地域に与えられる五輪出場枠を日本にもたらした。

 千葉市美浜区出身。4歳の時、友人が通うイオン新体操スクールで競技を始めた。「新体操をやりたかったというより、その子と一緒に遊びたい気持ちが強かったかな」とはにかむが、才能はみるみる開花。大会ではジュニア部門のタイトルを独占し、真砂中卒業後は日本体操協会特別強化選手としてロシアに渡った。

 シドニー大会から新体操の五輪金メダルを独占するロシアに、「選手は試合に出るための練習をしていた」と実戦意識の高さに衝撃を受けた。王国で技術を磨き、リオデジャネイロでは日本勢3大会ぶりの個人出場を果たした。

 日本のエースは東京五輪へ順風満帆に見えたが、試練が訪れたのは昨年8月。ロシアでの練習中、突然右脚に力が入らなくなった。病名は「コンパートメント症候群」。すねの筋肉が血管を圧迫し、脱力感や冷たくなる感覚に襲われた。

 同様の症状はリオ五輪前の2015年にも出たが、大事には至らなかった。だが、世界選手権前の昨夏は症状が重く「何で今なんだろう」と気持ちが激しく揺れた。同選手権には出場したものの、10月のイオンカップは欠場。現在は注射などの治療を重ねる。

 日本代表の愛称は「フェアリージャパン」。“妖精”たちを率いる22歳エースも、五輪切符確定は最速で今春だ。その間は、右脚と相談しながら練習する日々が続く。

 祭典へ「目指すべきは表彰台の一番上」。コーチやトレーナー、医師ら自分を支えてくれた多くの人たちに「恩返しをしたい。人の心に伝わる演技をしたい」と力強く語った。

◇みながわ・かほ 1997年8月20日生まれ。千葉市美浜区出身。同区真砂第二小、同区真砂中、大原学園高出。イオン所属、国士舘大。


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