木総・野尻サイクル打 6回零封、投でも「柱に」 聖地へ覚悟示す 第100回全国高校野球 東千葉大会 第12日

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木更津総合―東海大市原望洋 9回表無死一塁、野尻が適時二塁打を放ちサイクル安打を達成する=ZOZOマリン

 打った瞬間、片手を突き上げた。二回。初球だった。木更津総合の野尻幸輝が豪快に引っ張ると、打球は右翼席上段で弾んだ。「自分の打撃が勝敗を分ける。チームを勇気づけたかった」

 頼れる4番は特大先制弾だけでは終わらない。厳しい内角攻めをものともせず、次打席は右中間を破る三塁打。五回には左前へ単打を放った。「記録には気付かなかった。チームのために打とうと必死だった」と、最終打席に再び右中間を真っ二つ。決勝進出を懸けた大一番でサイクル安打を達成した。

 圧巻の活躍はマウンドでも見せた。3回戦以来の先発も果たし、6回を2安打無失点。最速143キロの直球で押し、三回にはバントフライを飛びつき好捕。「最後の夏は自分が甲子園に連れて行く立場。気迫を見せたかった」

 偉大な先輩に引っ張られ、2度の甲子園を味わった。内野手と兼任し、本格的に投手を始めたのは昨年末から。重圧と責任を一番抱える中、「自分が柱になるんだ」と不慣れな練習メニューに打ち込んだ。

 出身地の岐阜から父の吉彦さんも駆け付ける中、3年連続夏の甲子園に向けた覚悟を結果で示した。「本当に喜べるのは優勝してから」。打って走って、投げる。悲願の瞬間が訪れるまで、背番号5は全力を出し尽くす。