雨の中、聖地を体感 【中央学院 甲子園だより】

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グラウンドに駆け出し練習が始まり、春夏通じ初の甲子園を踏みしめた中央学院ナイン=19日午後、兵庫県西宮市
グラウンドに駆け出し練習が始まり、春夏通じ初の甲子園を踏みしめた中央学院ナイン=19日午後、兵庫県西宮市
雨の中で投球練習を行う中央学院の大谷。奥は相馬監督=甲子園
雨の中で投球練習を行う中央学院の大谷。奥は相馬監督=甲子園
外野ノックではつらつとした動きを見せる中央学院の田中
外野ノックではつらつとした動きを見せる中央学院の田中

 第90回選抜高校野球大会に初出場する中央学院が19日、甲子園球場で練習を行った。

 雨天の影響で予定より30分早まった午後3時30分。開始の合図となるサイレンとともに、グラウンドへ駆け出した。1971年の創部以来、春夏通じ初の聖地を踏みしめたナイン。池田翔主将は「雨で心配だったが、グラウンドで練習できて良かった」と笑顔をほころばせた。

 ノックや、外野フェンスを用いた打球のはね返りの確認など、守備練習を中心に汗を流した。池田は「やや緊張気味だった」と言うが、後半の打撃練習では宇田周平や長沼航がヒット性の当たりを連発。初戦でぶつかる明徳義塾(高知)を想定し、右腕投手を置き実施した。

 20日は休養日に充てる。大会は23日に開幕し、中央学院は25日の第1試合(午前9時開始)で初戦を迎える。

◆大谷「最高だった」

 中央学院の大谷拓海は捕手を座らせ投げ込み、マウンドの感触を確かめた。エースで4番を務める。フリー打撃では逆方向へ強い打球を飛ばし、「最高だった」と満足気味に話した。

 大勢のカメラや報道陣に囲まれたが、「高校野球はDHがないので役割は普通だと思っている」と淡々としていた。明治神宮大会で敗れた明徳義塾との再戦に向け、「左打者が多いが、インコースに投げられるよう練習してきた。今回は点を取られないようにしたい」と表情を引き締めた。

◆けがから復帰、待望の舞台 「幸せな時間でした」 田中

 初の甲子園で練習に臨んだ中央学院ナイン。誰よりも目を輝かせていた選手が、田中大暉だった。「ずっと夢を見てきた場所。幸せな時間でした」

 昨秋は「2番・左翼手」で全試合出場。チームトップの打率4割1分5厘、8盗塁を決めた。だが、県大会途中から腰の痛みが悪化していた。

 2月中旬。椎間板ヘルニアの手術に踏み切った。メンバー選考も加熱していく中、一週間も寝たきり状態。「みんなに置いていかれる感覚。人生のどん底だった」と振り返る。

 支えとなったのは、仲間だった。手術前、自分の荷物は主将の池田翔らが率先し運んでくれた。『絶対待っているから戻ってこいよ』。みんなの温かい激励の言葉が、何よりもうれしかった。

 練習試合に出場できるまで復活し、秋と同じ背番号7も手渡された。「まだ万全ではない」と話すが、青々とした聖地の芝生上で声を張り上げ、はつらつとしていた。前回明徳義塾と対戦時は唯一2安打を放っている。「一生懸命プレーし、家族や仲間へ恩返しをしたい」。さわやかな笑顔が戻り、春の初陣を迎える。