2020夏季千葉県高等学校野球大会 あの瞬間を捉えた写真も多数

監督への恩返しかなわず 悔し泣きの主将、市川・芝田 第96回全国高校野球選手権千葉大会 第8日

専大松戸-市川 1回、一、二塁のピンチにマウンドへ伝令を伝える市川の芝田(左から2人目)=QVC
専大松戸-市川 1回、一、二塁のピンチにマウンドへ伝令を伝える市川の芝田(左から2人目)=QVC

 「監督に恩返しがしたかった」。最後の打者となった主将の芝田有誠の目に涙がこみ上げた。

 市川を36年にわたり指導してきた渡辺晃監督は、今大会を最後に勇退を決めていた。一回から2本塁打を許すなど一方的な試合となったが、選手たちには「一矢報いたい」強い気持ちがあった。

 「入学当初は一番のヘタクソで、1年の時は全く駄目だった」(渡辺監督)という芝田。体が小さく、結果が付いてこなかった。

 それでも、監督の言う通り練習に打ち込み、次第に頭角を現してきた。渡辺監督が「メキメキうまくなった」と驚くほどの成長ぶりで、新チームのまとめ役になった。

 この日は六回途中から出場。10点差が付き、コールド負けが懸かる七回裏。金子尚広、小林飛勇が四球で出塁し、「絶対回ってくると信じていた」打席が巡ってきた。インコースの直球に食らいついたが、打球は力なく三塁手のグラブに収まった。

 「監督に野球を教えてもらった。最後に出してもらったのに。本当に悔しい」。声を絞り出した。

 (武内博志)


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