新浦安、首都圏最低の0・6 住民に広がる不安と動揺 国税庁が路線価調整率

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 駅前広場の隆起した歩道もアスファルトで埋め戻され、地中から噴き上げた砂は撤去されていた。東日本大震災で液状化被害を受けたものの、交通の便の良さから人気が回復し始めた浦安市の新浦安地区。しかし国税庁が公表した路線価の調整率は首都圏最低の「0・6」。地元には再び不安と動揺が広がる。

 「(調整率公表で)資産価値が下がったとしても仕方ない」。60代の主婦は諦めた様子で話す。30年前に手に入れた念願の一戸建て。震災前の相場価値は約7千万円だったが、液状化で土台ごと傾いた。引っ越しも考えたが資金難で断念し、今は補修費の捻出に頭を悩ませる。「いい町だったのに…」

 JR新浦安駅前に店を構え、主に中古マンションを扱う不動産業者によると、現在のマンション取引価格は震災前のおよそ1割減。「これ以上値引きすると利益が出なくなる水準」(業者)だ。最近は取引件数が上向いていたが、調整率の公表で「再び市場が回らなくなる恐れもある」と不安を隠さない。