新誘導路で能力増強へ 発着回数22万回を支える 滑走路横断など運用課題も 【ナリタ30年 地域と空港】

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 成田国際空港・暫定平行滑走路(二千百八十メートル、B滑走路)の二千五百メートル化を機に、成田空港会社(NAA)は一本の誘導路で運用中のB滑走路の処理能力向上のため、東側誘導路の新設に着手した。完成目標は二〇〇九年秋。二本の誘導路でB滑走路の年間発着回数は六万五千回から十万回程度にまで増え、これにより空港全体の発着回数は二十万回から二十二万回に増加する。

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 成田市東峰地区の未買収地を迂回(うかい)する東側誘導路はB滑走路南端に取り付く。原則離陸機専用で、南風時は滑走路を横断し北端へ向かう。「国内に限らず世界の混雑空港でもある」(同社)滑走路横断について、同社の幹部は「ないのが理想だが、安全上は問題ない。ただし、停止による旅客の不便さやエネルギーのロスはあるだろう」とする。

 横断は着陸機と先発離陸機の間を縫って管制官の指示に従い行われる。管制の立場では「安全を確保した上で効率的な運用を行うためには、横断はないのが望ましい」とし「横断自体が新たな負荷(付加)」。「他空港で起きた滑走路への航空機の誤進入などを考えると、横断しようとする機の動きからは絶対に目を離せない」と強調する。

 また、着陸誘導装置「グライドパス」の電波への影響防止で、誘導路上に設定する停止位置で離陸機を一時的に止める場合もある。これらの課題に対応するため管制部門では運用方式を検討中という。

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 三月下旬の「成田国際空港都市づくり推進会議」(会長、小泉一成・成田市長)の場で、同社は成田空港の最大限の能力として「年間三十万回」の試算を公表した。A滑走路(四千メートル)十五万回、二千五百メートルB滑走路で十五万回とするが、実現には社会的制約(地元協議など)や物理的制約(空域および管制運用上の課題、誘導路、駐機場整備など)の解消が不可欠だ。

 同幹部は「B滑走路の十五万回を目指すには、東側誘導路を含め現行の誘導路の形状では困難」と語る。また、東側誘導路の問題点(滑走路横断)の早期解消の必要性にも言及し、「未買収地の取得が理想だが、他の手法も検討している」と話す。

 増加分の二万回や「その先」の発着回数のほとんどを受け持つことになるB滑走路は、関連誘導路とともに成田の将来の鍵を握る。