発着回数、アクセスが鍵 空港の未来を語る(上) 理解得ながら機能拡大 【ナリタ30年 地域と空港】

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 羽田空港の一部国際化など成田空港を取り巻く環境が変化する中、成田国際空港会社(NAA)のかじを取る森中小三郎社長は「安全を第一に、機能性が高く旅客に喜ばれる空港づくりを目指すためにも、暫定平行滑走路の二千五百メートル化とアクセス鉄道の供用を一日も早く実現させたい」と開口一番に決意表明。

 「開港三十周年を節目の年と思いつつ、二千五百メートル平行滑走路の供用後の発着回数二十二万回で、どれだけ旅客と航空会社の期待に応えていけるかだ」と気を引き締めた。

 同社は三月の成田国際空港都市づくり推進会議で最大限の空港能力について、年間発着回数「三十万回」の試算数字を公表した。

 「まずは二十二万回を達成してから」とする森中社長は、「空域の問題や騒音対策は簡単には済まない。きちんと理解を得ることが重要」と語り、三十万回に向けて、ステップを踏みながら取り組む考えを示す。

 成田と羽田の関係では、「成田は地域に根付いた機能を強化し、可能ならば容量を増やし力をつけていく。羽田は近距離路線を中心に対応していくのは時代の流れだろう」と語り、成田、羽田で首都圏の航空需要に応えていく考えを示す。

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 東京都などが攻勢を強める成田限界論について、一橋大学大学院の山内弘隆商学研究科長は「羽田との相対関係なんだろう。羽田のほうが東京、横浜からアクセスがいいから」と分析。

 全日空が今年度から国際チャーター便を羽田から就航させたことを「ある意味脱法行為」としつつも、今後も羽田では「国内線が伸びず、徐々に発着枠が空き、国際線を増やしていく」と予想。内際分離原則についても「だんだん垣根がなくなっていくだろう」と推測する。

 その一方で、「発着回数やターミナルの処理能力からして羽田で成田の役割を全部果たせるわけがない。アクセスや発着回数で成田がいかに羽田に対して優位に立つかだ」と指摘。「羽田―成田のアクセスがとても重要。なるべく直結しないといけない」と課題を提起。発着回数の「三十万回化も当然のこと」と前提条件に掲げた。

 空港会社には、「普通の空港は客やエアラインを一生懸命誘致しているが、成田はしたことがない」と苦言も。羽田を打ち破るだけのサービス強化を図るよう訴えた。