費用負担で新たな懸念 初のサーフィン一宮 東京五輪・パラリンピック 【2016 千葉この1年】(6)

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2020年東京五輪のサーフィン会場決定を受け、釣ケ崎海岸で開かれた祝福イベントには地元の小中学生らが集まり喜びに沸いた=12月8日、一宮町

 「歴史的な出来事。九十九里・外房地域が世界に発信される」。2020年の東京五輪で初めて採用されるサーフィン競技の開催地が一宮町の釣ケ崎海岸に決まり、森田健作知事や地元首長は意義を力説した。

 開催が内定した8月4日、正式決定の12月8日。2度にわたって同海岸には地元のサーファーや小中学生がサーフボードや歓迎メッセージを掲げて集結し「慣れ親しんだ場所が五輪会場になる」と喜びに沸いた。

 愛好家が波を求めて繰り出し、国際大会の実績も豊富なサーフィンのメッカの同町。五輪開催の誘致活動に加わった九十九里・外房地域16市町村のちょうど真ん中に当たる場所だ。

 昨年の国勢調査によると、この16市町村の人口は10年調査と比べていずれも減少。千葉県全体の人口が0・1%増を保ったのとは対照的だ。65歳以上の割合を示す高齢化率も急速に高まっている。

 若者に人気で、10代のご当地有望選手も多いサーフィン開催を契機に、活性化の“波”を地域全体に広げられるかが問われる。

 今年は米国陸上チームやオランダの22競技など五輪・パラリンピックの事前合宿も県内各地で相次ぎ決定。海外選手と地域住民らの交流を促進する「ホストタウン」登録も12月までに8市に増えた。サーフィンでも、こうした受け入れが進むかが鍵になりそうだ。

 千葉市の幕張メッセを使う五輪3競技・パラ4競技と合わせ、県内開催競技は8に拡大した。成功に向けた役割が増すが、大会組織委員会からの具体的な開催計画の提示は遅れ、12月にようやくメッセの3棟を使うことが判明した程度。

 競技に伴う仮設設備を組織委が負担する原則も不透明さが増している。東京都、組織委、政府のトップ級会合の結果、年明け後、負担協議を仕切り直す方針に。

 県は2月の段階で、五輪・パラに伴う財政支出(メッセ・合宿施設の改修、外国客対応など)を最大で180億円に抑える考えを示しているものの、新たな負担を求められる強い懸念が県議会から上がっている。

 メッセ開催は都・組織委による会場見直しで本県に白羽の矢が立った経緯があり、県は「協力する立場だ」として負担原則の堅持を求めてきた。これに対し、サーフィンは他県との誘致競争を展開。希望がかなった“対価”を求められれば難しい対応を迫られる。