キョン 5年で5倍? 推計法見直しへ 有効対策目指し県

 県内で急激に増え続ける特定外来生物のキョン。昨年3月時点の生息状況調査では1万7千頭を超え、実に5年で5倍という繁殖ぶり。県が目標に掲げる「完全排除」の前には予算的問題や猟友会員の高齢化など壁が立ちはだかる。一方で、異常な増加率には「実態との乖離(かいり)」を指摘する声も上がっている。より効果的な対策を講じるため、県は調査方法の見直しに着手した。

 県が先ごろ公表した「キョン防除実施計画」の改定版によると、2012年3月時点の県内の推定生息数は1万7196頭。5年前の07年(3441頭)と比べ約5倍に増加した。

 生息は鴨川、勝浦、市原、君津、富津、いすみ、大多喜、御宿、鋸南の9市町で確認されているが、この間、その分布域は倍以上の約1380平方キロメートルにまで拡大している。

 04年ごろからは稲や大豆、イチゴなど農作物への被害も報告されるようになった。同様にキョンが増えている伊豆大島やイギリスでは植物など生態系への影響も出ているという。

 県計画は生息状況調査やモニタリングにより「県内の野外から完全排除」を最終目標とするが、市町村が防除を委託する猟友会員の高齢化、予算的な問題もあり、実現は困難な情勢だ。


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