世界最小らせん針開発 「光渦」活用し千葉大 痛みない注射も可能に

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千葉大学の尾松孝茂教授らが開発に成功したらせん状の極小針。大量生産が可能でさまざまな分野で活用できるという(同大提供)

 千葉大学は、世界最小のらせん状の金属針を開発することに成功したと発表した。長さ0・01ミリ、太さ2万5千~1万分の1ミリという極小の針で、らせん状の光の渦を照射する「光渦レーザー」を独自に開発して製造した。低コストな上、1秒間に1万本以上の大量生産も可能とあり、低電力の液晶ディスプレー開発や痛みを伴わない注射など、さまざまな分野で応用できるという。同大と北海道大の共同研究で、成果は世界的な学術誌「ナノレターズ」に掲載された。

 千葉大学によると、レーザーに使った「光渦」は、人工的に作り出した特殊な光で、進行方向に対してらせん状にエネルギーが降りていく現象。従来、理論物理学の分野で研究が進んでいたが、研究チームは物質加工に使えるよう改良した。

 実験では、レアメタルとして知られる「タンタル」に光渦レーザーを照射。ソフトクリームのようにらせん状にタンタルが巻き上げられ、目に見えなかった光渦の構造を世界で初めて金属に転写させることに成功、世界最小の極小針が出来上がった。

 これまでの技術で小さな針を作るには、真空状態や化学薬品が必要だった。新技術は、大気がある室温下で製造でき、大型施設が不要。省エネルギーで薬品を使わないため環境に優しく、大量生産も可能とあって各分野での応用が期待される。