法令違反409事業場で 「過労死ライン超」相次ぐ 働き方改善へ啓発 千葉労働局

千葉労働局
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 千葉県内の409事業場で労働基準法などの法令違反があったことが、千葉労働局がまとめた2020年度の監督指導結果で分かった。過労死ラインとされる月80時間以上の「違法な時間外労働」が91事業場で確認され、依然として過酷な労働環境の職場が多い実態が浮き彫りになった。県内では20年度、2人が長時間労働によって過労死したと認定されており、厚生労働省は11月を過労死防止月間として啓発活動を強化。同局は「各事業場が働き方を見直す機会をつくる必要がある」と訴えている。

 同局によると、長時間労働に関する情報提供や過労死などの労災請求があった533事業場を対象に監督指導を実施。20年度は新型コロナ感染防止のため対象を例年の半数ほどに減らした。

 監督指導の結果、409事業場(76・7%)で法令違反を確認。「違法な時間外労働」は227事業場(42・6%)に上り、是正勧告書を交付した。

 このうち、過労死ラインとされる月80時間以上の違法な時間外労働があったのは91事業場(40・0%)。月100時間以上は66事業場(29・1%)、150時間以上は22事業場(9・7%)、200時間以上は5事業場(2・2%)で確認された。

 この他の主な違反は、ストレスチェックなど「過重労働による健康障害防止措置」の未実施で126事業場。違反ではないものの、健康障害防止の対策が不十分なケースもあり、計282事業場に改善を求めた。ストレスチェックは、常時50人以上の労働者がいる事業場に義務付けられているが、同局監督課の担当者は「従業員の体調管理のため、対象ではない事業場でもストレスチェックを行ってほしい」と呼び掛けた。

 法令違反があった事業場を業種別にみると、商業が80で最も多く、製造業72、運輸交通業59、建設業38と続いた。

 担当者は「法令違反と知らずに違反をしている事業場が多い。昨年は新型コロナの影響で監督指導が十分に行えなかったので、積極的に各事業場へ出向いて法令を周知したい」と強調した。

 県内では20年度、長時間労働により脳疾患や心疾患になった5人が労災認定され、うち2人が死亡している。

 11月は「『過労死等防止啓発月間』・『しわ寄せ』防止キャンペーン月間」で、同局は文書で関係団体へ過労死の根絶などを呼び掛けた。長時間労働による過労死などで労災請求があった事業場や、学生アルバイトの賃金未払いなど若者の“使い捨て”が疑われる事業場にも重点的な監督指導を行う。


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