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途上国の妊産婦救いたい ナイジェリアで2年奮闘 県庁職員・加瀬文彦さん(50)=千葉市花見川区=

プロジェクトスタッフらと加瀬さん(右)=ナイジェリア・ラゴス州
プロジェクトスタッフらと加瀬さん(右)=ナイジェリア・ラゴス州

 ナイジェリアの母子保健事情を改善するため国際協力機構(JICA)が実施する「ラゴス州母子健康強化プロジェクト」に参加、必要資材の調達など現地スタッフとの仲介を2年間務め帰国した。あふれるエネルギーに魅せられる一方で、「劣悪な衛生状態と貧困を何とかしたい」と赴いた途上国での経験を糧に、県庁マンは今後も海外との橋渡し役に意気込みを見せる。

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 世界保健機構(WHO)などの2008年調査によると、ナイジェリアの妊産婦死亡率は10万人当たり840人(日本は6人)。サハラ砂漠以南のアフリカ諸国の平均よりも高い。

 10年にスタートしたプロジェクトは、安全な分娩(ぶんべん)数増加を目的に、同国のラゴス州保健省と共同で活動し現在も続けられている。

 加瀬さんによると、同州には産前健診を担う1次医療施設があるものの、24時間態勢でない上に技術や設備が不十分。住民の利用率は低いという。

 このため2次施設である産科病院への受診が殺到。急患に対応できない現状に「一次医療施設の機能強化、産前健診に対する住民の理解促進が急務」と訴える。

 現地に赴任した2年間、主に関係者とのやりとりを仲介する連絡調整業務、必要資材の調達などに汗を流した。プロジェクト終了後も現地スタッフが活動を継続できるよう、「国内だけで一定水準の資材を調達するのに苦労した」と振り返る。

 国際協力に目覚めたきっかけは、学生時代に訪ねたインドだった。貧しいながらもエネルギーに満ちあふれた街の雰囲気に魅了された。

 その一方で、衛生環境の悪さや感染症に苦しむ子どもたちの姿を目の当たりにし、「いつの日か途上国支援に関わる仕事がしたい」と常にアンテナを張ってきた。

 県庁では03年から国際課に勤務。海外からの技術研修員の受け入れのほか、市町村や企業、大学、NPOと連携し、ベトナムの下水処理施設の整備や水環境教育の普及に努める「千葉の国際協力」事業を推進した。

 ナイジェリアから帰国後は県の情報を海外向けに発信する業務に携わっている。「県内には途上国が必要としている技術や経験、資源が豊富にある。関係団体が国際協力活動をする時に自分の経験を生かしていきたい」と力を込める。


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