千葉県市川市の新庁舎市長室にガラス張りのシャワー室が新庁舎開庁後の昨年10月、追加工事で設置されていた問題を千葉日報オンラインが2月26日に報じると、インターネット上で大きく話題になりました。SNSの反応をみると、「市長専用ではないか」との指摘が続出したほか、ガラス張りであることに「なぜ?」の声が多数寄せられています。市の担当課に取材すると―
千葉日報公式ツイッターの記事告知のリツイート数は4000件を超えています。
【シャワー室】市川市の新庁舎で市長室にガラス張りのシャワー室が設置されていたことが26日、分かりました。部分開庁後、追加工事で設置されました。※写真は市提供
◆記事はこちら→https://t.co/bRfRfW0WIU pic.twitter.com/z5rc9jkVCU— 千葉日報 (@chibanippo) February 26, 2021
記事では、問題のシャワー室は市長室のトイレ内に追加工事で設置され、市は「災害時に市長や職員が使うことを目的に設置した」と説明していること、ただし市長室を通過しなければ入れない仕組みであること、設置費は約360万円に上ること、ほかに災害時用の職員向けシャワー室は3室設置済みであること―などを報じています。また、村越祐民市長は市長専用との指摘に「想像の飛躍。決してそのようなことではない」と反論している、ということです。
この記事に対し、SNS上では「市長専用ではないか」との声が噴出。
「市長室からしか入れないシャワー室を増設して『市長専用ではない』とは、これいかに」
「市長室を通るなら、一般職員はいちいち市長に許可取って使用するの?」
「職員向けシャワーを増設すればいいだけなのに」
ガラス張りであることへの疑問も相次いでいます。
「ガラス張りにする必要性は?」
「ガラス張りにして値段上げる必要性は?」
「外から見せる必要性があるのでしょうか?」
デジタル編集部は、これらの疑問を市川市新庁舎建設課にぶつけました。
まず、なぜガラス張りなのかについて同課は、「ガラス張りを探したわけではなく、市長室トイレの狭いスペースに置くのに適したものが、あの仕様のものしかなかった」と説明。設置されたシャワー室は一般的な四角柱の形状ではなく、角の切れた特殊な形状。「四角形のものを入れると、便器が使えなくなる」ということです。
ガラス張りでは外から見えるのでは、との疑問には、「トイレには扉があって鍵がかかる。さらにその前に洗面所があり、そこにも扉があるので、見えることはない」ということでした。
では、そんな市長室内の二つの扉を通らないと使えないシャワー室が「市長専用ではない」とはどういうことなのでしょう?
同課は「主に市長が使うものだが、災害発生時は非常事態なので、職員が使うこともある」と説明しています。市長が災害時以外に使うことはあるのか、との質問には、「災害時に使うのが前提だが、職務の合間に使うことを市で規制するということはない。運用面は市長が決めること」。ちなみに、設置後のシャワー室は「大きな災害がないので、まだ一度も使われていない」とのことでした。
360万円の設置費がかかったことについては、「建物が大きいので、長い配管が必要になった。天井を外して配管を設置して、また戻すなどの工事もあった。追加工事なので、新築でやるよりは費用がかさんだ」と話しています。追加工事の実施は、昨年8月の新庁舎開庁後の翌9月、市広報室からの要請で決まったということです。
村越市長は「危機管理上、必要だった。必要に応じて新たに機能を追加することはあり得る。(市民に)理解してもらえると思う」と述べたということですが、果たして市民の理解を得られるのか、今後の対応が注目されます。(デジタル編集部)