
国内初となる新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が17日に始まる。米製薬大手ファイザー製で、今回は安全性調査に参加する医療従事者に対する先行接種の位置付け。全国約4万人が対象。県内では市原市の千葉ろうさい病院で行われるほか、他の医療機関でも18日以降、順次始まる。感染収束へ国民の期待が高まる中、関係者は「きちんと流れを確認し、注意点や修正点を洗い出したい」としている。
千葉ろうさい病院は、1回目のワクチン接種を19日と22日の2回に分けて行う予定だが、これに先駆け17日に一部職員に接種を行い、流れを確認する。
千葉医療センター(千葉市中央区)は18日からを予定。医師や看護師にアンケートを行ったところ、7割に当たる約500人が受ける意向を示した。接種後の体調変化を心配し「休みの前日に打ちたい」との声が多いという。
同センターによると、初日の18日は30人分、19日は120人分を予定。万一、副反応などで診療体制に影響が出ないよう、診療科ごとに接種する人員を分散させるなど接種の日時を割り振った。
担当者は「注意点や修正点を洗い出したい。1人の接種に何分くらいかかるのか、どれくらいの人員が必要か見えてくるのはこれから」と説明した。
JCHO千葉病院(千葉市中央区)もワクチンが到着次第、接種を行う。約400人の職員のうちアンケートで希望した約350人を対象とし、最前線で働く医師や看護師らを優先的に接種するという。
担当者は「感染症の予防接種はこれまでもやってきているので、きちんと準備した上で落ち着いて対応していく」とした。
ファイザー製ワクチンは政府が14日、製造販売を正式承認。第1弾の約40万回分が12日、同社主力工場があるベルギーから成田空港に到着した。
河野太郎行政改革担当相は16日の記者会見で、ワクチンの利点とリスクについて国民の理解を進める考えを示した上で「多くの人の接種を期待する」と述べた。