コロナワクチン、混乱回避へ課題山積 千葉県内自治体 会場、人材急ピッチ

新型コロナウイルスのワクチン接種開始に向けて千葉市医療政策課に推進室が設置された=千葉市中央区の千葉中央コミュニティセンター
新型コロナウイルスのワクチン接種開始に向けて千葉市医療政策課に推進室が設置された=千葉市中央区の千葉中央コミュニティセンター

 新型コロナウイルス対策の“切り札”と期待がかかるワクチン接種を円滑に進めるため、自治体が対応に追われている。接種クーポン券(接種券)の配布などの他、接種会場や会場までの移動手段、医療スタッフの確保と課題が山積。特殊なワクチンの保管と配送にも頭を悩ませる。高齢者対象の接種は4月にも始まる見通しで、残された時間は多くない。(報道部 渡辺翔太)

 県内最多約25万人の高齢者がいる千葉市は、1月15日に「新型コロナウイルスワクチン接種推進室」を立ち上げ、職員7人を配置。国が3月下旬としていた高齢者の接種開始時期は後ろ倒しになったが、当初の予定通り同月前半に高齢者へ接種券を配布する方向で準備をしている。

◆「継続できる体制を」

 同推進室は、集団接種会場に体育館など複数の大規模施設の利用を想定。まず鍵になるのが、会場に詰める医療従事者の確保だ。ただでさえ人材が不足する中、地域の診療所を休診して医師や看護師が会場で接種に対応できるか、市医師会と協議をしている。

 一方、全ての高齢者が接種会場に足を運ぶことは難しいことから、地域の診療所での接種も検討を始めた。米ファイザー社製のワクチンはマイナス75度での保管が必要。国が超低温冷凍庫を配備する拠点病院から各会場へ冷蔵で配送するが、解凍後5日の使用が求められ、診療所で使い切れる量に小分けして運ぶ仕組みづくりが求められる。

 接種の日付や場所の予約も難題。病院や診療所で受け付けると、そこの職員だけで予約対応することになり、混乱が生じる可能性も。接種は日数を開けて2回受ける必要があり、1回目の会場で2回目の予約をするのか、改めてやり直すかなど未確定の部分が多い。

 同推進室の小柳寛室長は「接種事業は1、2カ月で終わるものではない。継続して維持していける体制を築きたい」と話す。

◆7市町村合同で

 人口約1万4千人の長生村は、3割に当たる約4800人が高齢者。超低温でのワクチン保管や副反応が生じた接種者への対応が可能な病院が村内にないため、長生郡市7市町村が合同で接種事業を行う。今月1日、ワクチン接種を担当する健康推進課に他部署から1人を異動させ、計9人で他業務と並行しながら調整に当たる。

 接種会場は村外になる見通しで、自力で長距離移動できない住民が一定数いることから、村として住民の移動手段確保が必須。料金が補助の対象となる「福祉タクシー」利用や村所有バスによる送迎を視野に入れている。

 ワクチン配布のスケジュールや副反応の詳細など多くの不明点もあるのが現状で、同課の担当者は「不安要素があるため、開始時期に万全に対応できるよう最大限準備している」と話した。


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