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【法廷から】美咲さん母を脅迫男性、なぜ「攻撃」 心境変化の理由

千葉地裁
千葉地裁

 昨年9月に山梨県で行方不明になった小倉美咲さん(8)=成田市=の母、とも子さん(37)を脅迫する内容のメッセージを送ったとして、静岡県の男性(31)に有罪判決が言い渡された。とも子さんに対する誹謗(ひぼう)中傷は、いまだにインターネットやSNSで目立っている。美咲さんのことを気遣っていた男性はなぜ、とも子さんを「攻撃」するようになったのか。公判で男性は心境が変化した理由を語った。

 「被害者のことをずっと心配していた」。娘を持つ父として、美咲さんに関するニュースを見るたびに気掛かりだったというが、行方不明から1カ月、心配は憤りに変化した。

 とも子さんのフェイスブックのアカウントに「殺しに行く」「お前が犯人だろ」などと強烈な言葉を送るようになり「感情のままだった」と説明した。昨年10月下旬から4カ月間、とも子さんを脅す内容のメッセージを11回送信。千葉地裁は脅迫行為と認定し、脅迫罪で懲役6月、執行猶予3年の判決を出した。

◆「犯人と思った」

 「心配していて、裏切られたというか、本当に犯人なのではと思った」

 メッセージを送ったのは、インターネットの投稿やユーチューブの動画がきっかけだった。美咲さん発見を伝える報道もなく、現状が気になり検索した。「『母が犯人』という内容のものがたくさんあがっていた」ので信じてしまったという。

 殺すつもりはなく、とも子さんの住所も知らなかった。「被害者の気持ちを想像しなかったのか」との質問にも「本当に後先考えず…」。逮捕されるまで脅迫罪の存在も知らなかった。

 育った境遇から、周囲には虐待を受けた経験のある仲間が多く「ニュースで親の虐待とかを見ると許せなかった」。一方で「仲間同士で冗談で『ぶっ殺す』と言い合う環境だったのが良くなかった」とも語った。

◆投稿は臆測

 「母が犯人」。男性の有罪判決や別の人が名誉毀損(きそん)で逮捕される事件が報道されても、同様の投稿はなくなっていない。「投稿は臆測のものでは。客観的な証拠は示してあったのか」。担当検察官は男性を批判した。

 「たくさん(投稿が)あがっていても、それで正しいわけではないですよね」(検察官)。男性は質問に答えられなかった。

(報道部・渡辺翔太)


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