千葉県内転居後体にあざ 「パパに蹴られた」訴え 被告妹証言 心愛さん母きょう26日出廷 【法廷リポート 野田女児虐待死】

 野田市立小4年の栗原心愛(みあ)さん=当時(10)=が昨年1月、自宅浴室で死亡した虐待事件で、傷害致死などの罪に問われた父親、勇一郎被告(42)の裁判員裁判の第2回公判が25日、千葉地裁(前田巌裁判長)で開かれた。証人尋問で勇一郎被告の妹は、心愛さんが勇一郎被告と同市の祖父母方で生活していた2017年9月時点で蹴られるなどの被害を訴え、体にあざがあったと証言。自分の子どものように思っていた大切な存在を失った悲しみに暮れ「心愛を返してください」と涙声で訴えた。

 勇一郎被告は同年7月末、心愛さんと次女を連れて沖縄県から野田市の実家に転居。市内の別のアパートに引っ越す同年9月下旬までの間、両親や妹と生活を共にしていた。

 妹は同年9月上旬、心愛さんの腰付近にあざがあるのを見つけ「パパに蹴られた」と伝えられた。後日、泣きながら「夜中に5時間立たされた」との訴えもあった。勇一郎被告に確認すると、いずれも「やっていない」などと否定したという。

 心愛さんがアパートでの勇一郎被告との生活を嫌がり、祖父母に助けを求めた18年9月には、複数のあざや脱毛などを確認。心愛さんが勇一郎被告と距離を置き、再び祖父母方で暮らすようになってからは「むさぼるように食べるようになった」といい、心愛さんが「(母親が)2日間ご飯を作ってくれなかった」とこぼしたことを明らかにした。

 「思いやりがあり、やさしく、静かでおとなしいが、意志が強い子」だったという心愛さん。妹にとっては自分の子どもとも思える存在になっており「私の大事な大事な大事な“娘”」「心愛を返してください」と声を震わせた。

 また、勇一郎被告の母親も出廷し、17年7~9月の間の出来事を証言した。8月、夜中に物音がしたため確認に向かうと、心愛さんが泣いており、勇一郎被告は「(心愛さんの)寝相が悪くてぶつけた」と説明したという。真相は不明だが、数々の虐待が疑われる中、最終的に「私は息子を信じてしまった」と悔やんだ。

 証拠調べでは、勇一郎被告が撮影したとされる動画や画像が裁判員らに示された。法廷には心愛さんの助けを求める声のほか「パシッ、パシッ」と何かをたたきつけるような音が響いたが、勇一郎被告はこの間も表情を変えず、まっすぐ前を向いていた。

 きょう26日の第3回公判では、心愛さんの母親(33)=傷害ほう助罪で懲役2年6月、保護観察付き執行猶予5年判決確定=の証人尋問が行われる。


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