手配犯逮捕へ執念 記憶頼りに雑踏に立つ 千葉県警見当たり捜査班

行き交う人の流れに目を光らせる見当たり捜査員(右から2人目)=24日、千葉市内の駅前
行き交う人の流れに目を光らせる見当たり捜査員(右から2人目)=24日、千葉市内の駅前

 風が冷たさを増す師走間近の繁華街。自らの存在を消しつつも、行き交う雑踏に目を光らす男がいる。指名手配犯をひたすら追う千葉県警の「見当たり捜査班」の1人だ。今年3月、発足した同班は刑事部の捜査員3人態勢。「夢に見るほど」頭にたたき込んだのは300~400人の“顔”、まさに記憶力と忍耐がモノをいう専任部隊だ。

 「あの男は!」。今月22日午後、千葉市中央区のとあるパチンコ店。捜査員の視線の先にドル箱を重ね遊技に興じる一人の男の姿が止まった。何度見返しても「やっぱり似ている」。

 窃盗容疑で県警が手配している男(24)だと確信した捜査員ははやる気持ちを抑えつつ、ほかの班員2人を呼び寄せる。慎重を期して全員の目で再確認するためだ。

 男が店内のソファに移動したそのタイミングを見計らい、別の捜査員が客を装い隣にすっと腰掛けた。「○○(名前)だな」-。見当たり捜査班発足後、9人目の手配犯確保の瞬間となった。

    ◇   ◇

 雑踏に紛れ込む逃亡者を見分ける唯一の手掛かりは自らの記憶。「暇さえあれば見ている」のは、千葉県や周辺都県の警察が追う300~400人の顔写真だ。

 逃亡者が立ち回りそうなギャンブル場や駅前の人混みに紛れ、日没まで目を光らせる。

 「指名手配捜査強化月間」は休日返上で雑踏に繰り出す捜査員たち。その執念と熱意が、罪を犯しながら逃亡を続ける手配犯を追い詰める。


  • LINEで送る