印西放火殺人 リーダー格に懲役20年 「無慈悲で残忍非道」 実行の男18年、女は16年 千葉地裁判決

金崎大雅被告
金崎大雅被告

 印西市竜腹寺の住宅で昨年2月、火災の焼け跡から海老原よし子さん=当時(55)=の遺体が見つかった事件で、現住建造物等放火と殺人の罪に問われた男女3人の裁判員裁判の判決公判が12日、千葉地裁で開かれた。前田巌裁判長は「犯行態様は無慈悲にして残忍非道」としてリーダー格の金崎大雅被告(22)に求刑通り懲役20年、仲内隼矢被告(22)に懲役18年(求刑懲役20年)、菅野弥久被告(22)に懲役16年(求刑懲役17年)をそれぞれ言い渡した。

 公判では、火を放ったとされる仲内被告が「間違いない」と起訴内容を認めた一方、金崎被告と菅野被告は「共謀していない」などと無罪を主張。否認の2人については共謀や殺意の有無が争点となっていた。

 判決で前田裁判長は、暴行の過程で振りまいた高アルコール度数の酒以上に可燃性が高い灯油を金崎被告と仲内被告がポンプで吸い出した点などから、犯行の意思を通じ合ったと認定。菅野被告についても、ポンプの使い方を拒むことなく説明した経緯を挙げ、「3人の間に共謀が認められる」と結論付けた。

 量刑理由では、金崎被告のカップ麺を海老原さんが無断で食べたとして及んだ一連の行為について「誠にささいな出来事をきっかけにいら立ち、殺害するにまで至った」と非難。「誰1人制止することなく平然と凶行を敢行している」とも断じ、関与の程度などを考慮して懲役16~20年が相当とした。

 判決によると、3人は共謀し昨年2月17日午後4時40分ごろ、印西市竜腹寺の海老原さん方で、室内にいた海老原さんの周辺にあった布団などに灯油をかけ、ライターで火を付けて焼死させ、木造トタンぶき平屋建て住宅(約52平方メートル)を全焼させた。

 事件を巡っては、3人と共に行動していた当時16歳の少女も現住建造物等放火と殺人の疑いで逮捕されたが、千葉地検は嫌疑不十分で不起訴処分にした。


  • LINEで送る