土砂災害命どう守る 豪雨で千葉県内4人犠牲

2人が犠牲になった千葉市緑区誉田町の土砂崩れ現場=10月(共同)
2人が犠牲になった千葉市緑区誉田町の土砂崩れ現場=10月(共同)
ハザードマップを参考に緊急時の対応について議論する参加者=20日午後、千葉市中央区の千葉県赤十字会館
ハザードマップを参考に緊急時の対応について議論する参加者=20日午後、千葉市中央区の千葉県赤十字会館

 先月の記録的豪雨により甚大な浸水被害が出た千葉県内では各地で土砂崩れも多発した。避難所に駆け込み、難を逃れた人がいた一方、千葉市と市原市では4人が犠牲になった。土砂災害から住民を安全に避難させるにはどうすればいいのか。県内自治体の職員を対象に先ごろ開かれた防災セミナーでは、専門家が「避難警報が出た時点で、災害の起きるリスクも高まっている。こまめに最新の情報を確認してほしい」と訴えた。

 豪雨に伴い町内各所で土砂崩れが起きた長南町。坂本地区に住む女性(79)の自宅では、裏山が崩れ車庫兼倉庫が全壊した。女性は孫と近くの公民館に避難して無事だったが、豪雨翌日に自宅に戻ってみると、家の玄関前まで土砂が入り込んでいた。

 倉庫内の米や農機具はほとんど使い物にならなくなったといい、女性は「雨が降ると、また土砂崩れが起きるのではと考えてしまう」と不安を口にした。

 千葉市緑区誉田町で土砂崩れで女性2人が死亡。同区板倉町では男性が亡くなり、市原市郡本でも女性が犠牲となった。現場はいずれも「土砂災害警戒区域」に指定されていなかった。

◆「最新情報の確認を」 自治体向け日赤セミナー

 記録的豪雨と9月から続いた二つの台風を受け、日本赤十字社県支部が20日に開いた「防災・減災セミナー」。銚子地方気象台と連携した取り組みで、君津市や流山市の防災課、福祉課の職員ら約15人が参加した。

 セミナーでは体験型講座が行われ、台風などの影響で大雨となり土砂災害が発生する可能性がある中、住民を安全に避難させるための対策を検討。避難情報を出すタイミングのほかに、メールやファクス、防災行政無線などを活用した避難情報の伝達手段についても確認した。

 鴨川市福祉課の川名清登さん(21)は台風15号などの際、停電の影響で一部住民に情報が届けられなかったことを踏まえ「被害の程度によっては山間部に情報発信できなかったり、車を出せない状況もある。早めの対応で市民の安全を確保したい」と話した。

 銚子地方気象台防災気象官の牛島孝友さん(48)は「(自宅裏の山や河川の近くに家があるなど)周辺の地理を理解して、避難の連絡が入っていなくても河川の増水など通常と変わった点があれば早めに行動に移してほしい」と説明した。


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