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家康ゆかり古刹酒々井・清光寺 再建へネットで資金調達 「千葉の被害知る機会に」 台風15号

台風15号の影響で飛ばされた屋根。現在は応急処置で板が打ち付けられている=20日、酒々井町
台風15号の影響で飛ばされた屋根。現在は応急処置で板が打ち付けられている=20日、酒々井町

 9月の台風15号による暴風で、酒々井町上本佐倉の清光寺は屋根が飛ばされて天井が抜け落ちるなどの被害に遭った。室町時代末期に開山され、徳川家康ともゆかりのある古刹(こさつ)で、30代目住職の福田大和(ひろかず)さん(40)は「千葉で大きな被害があったことを多くの人に知ってもらえる機会になれば」と、インターネットのクラウドファンディング(CF)で再建資金を募り復旧を目指している。

 町に残る史料などには、1591年に家康が東金へタカ狩りに行った際に寺を訪れたり、1674年には黄門様で有名な水戸光圀も参拝をしたと記されている。被災した本堂は、佐倉城主によって江戸前期の1681~83年に建てられたとされる。

 福田さんによると、台風が通過した9月9日早朝、母親の節子さん(71)に促されて外に出ると、銅板の屋根が吹き飛ばされ、骨組みがむき出しになった本堂が目の前にあったという。

 慌てて本堂内に入ろうとしたが、停電でシャッターが開かない。何とかこじ開けて室内に入ると、天井は抜け落ち、びしょぬれとなった床には、折れた木片などが積み上がっていた。

 自然の脅威を目の当たりにして福田さんは「本当に言葉が出なかった。今まで来た台風で、こんな被害は一度もなかった」。妻のあゆみさん(41)も「何が起きたんだろうという感じだった」と振り返る。

 それでも、福田さんは県南地域の甚大な被害状況を耳にし、境内や本堂の一時的な片付けを終えると、すぐに同じ宗派の寺院救済のため、南房総市や館山市へ向かった。3日間、ボランティア活動に奔走したが、行く先々で感じたのは「一番大きな被災を受けたのはうちだった」。

 福田さんによると、清光寺の修理費用は屋根だけでも8千万円近くかかり、同規模の本堂を再建した場合、2~3億円の費用が必要になるという。地元の建築関係者の支援もあってCFを知り、木片などで傷ついた本尊の修理費に充てようと、9月27日に受け付けを始め寄付を呼び掛けた。

 CFによる寄付(今月30日まで)の申込額は26日午後10時現在、目標の650万円の2%に満たない12万8千円と厳しい状況だ。だが、福田さんは「県内にはもっと大きな被害を受けた人もいるし、亡くなった人もいる。命があっただけでも良かったと思わないと」と話している。


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