「ぶどう郷」も被害 東金の人気観光農園 収穫半減、生産者ため息 【台風15号】

倒木を撤去した後もつぶれたままのブドウ棚。奥には半分だけ残った幹も見える。地面には大粒の実が白い袋ごと散乱している=21日午前11時5分ごろ、東金市
倒木を撤去した後もつぶれたままのブドウ棚。奥には半分だけ残った幹も見える。地面には大粒の実が白い袋ごと散乱している=21日午前11時5分ごろ、東金市

 観光ブドウ農園が集まる東金市松之郷の「東金ぶどう郷」が被災し、生産量が半減している。台風の暴風が収穫を待つばかりだった実を地面にたたきつけ、倒木がブドウ棚を無残に破壊。今が年に一度のかき入れ時だったが、農園主は「本当にがっかり」と肩を落としている。

 東金ぶどう郷は9軒の農園からなる千葉県内最大級の観光ブドウ園エリア。例年8~9月に営業し、特に週末にはブドウ狩りを楽しむ家族や数十人規模の観光バスの団体客など多くの人でにぎわい、直売やバーベキューなども人気を集めている。

 ところが、台風が風景を一変させた。「東金市松之郷ぶどう組合」の鈴木秀夫組合長の農園は、台風で棚が激しく揺さぶられたくさんのブドウが房ごと落下。さらに、隣にあった杉林の1本が幹の途中から折れて落下、棚の真上に直撃した。そのため倒木場所の周りは棚の一部がつぶれたり大きくゆがんだりして、歩くのも難しい。“再起不能”になったブドウの木もある。

 被害は同エリア全域に及び収穫量は全体で半減するとみられ、直売所や屋根が吹き飛ばされた農園もある。鈴木組合長の農園は台風前には毎日40~50箱送っていたブドウの宅配もできなくなったという。

 多くの農園が今月末までは開園しているが、鈴木組合長は「みんなかろうじて営業している状態。専業のブドウ農家ばかりなので被害は大きな痛手だ」とうつむいた。

 今年は初夏に長雨が続いたことで実が傷みやすく、初めから難しいシーズンだったところへ台風15号が追い打ちをかけた。落ちた実は加工品に回すこともできず廃棄するのみだという。鈴木組合長は「自然のことだから仕方ないが、今年は本当にひどい年。壊れた棚などは何とか自分で直すが、材料費など最低限の農業補償はしてほしい」と訴えた。


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