「元の生活一日も早く」自衛隊1万人全力 倒木撤去、シート張り、給水・入浴支援… 【台風15号】

山道に倒れた木を切断する自衛隊員=19日、木更津市(共同)
山道に倒れた木を切断する自衛隊員=19日、木更津市(共同)

 台風15号で大きな被害を受けた県内では、自衛隊が長期化する停電の解消に向け、1万人態勢で山間部の倒木の撤去作業に当たる。降雨に備えて家屋にブルーシートを張り、住民への給水・入浴支援も続ける隊員らは「一日も早く元の生活を」と口をそろえる。19日、災害派遣された陸上自衛隊に同行し、復旧作業の現場を取材した。

 折れた木に電線が絡まり、引き倒された電柱が道をふさぐ。木更津市下郡の山道では、陸自第1普通科連隊の隊員約45人が、ドローンで状況を確認しながらチェーンソーで倒木を切断し、次々に運び出した。

 撤去が済めば東京電力の作業車が入り、通電を目指す。道沿いに住むアルバイト、三留博さん(68)は「9日からずっと停電している。これだけの倒木は自分ではどうにもできない」と、自衛隊の作業を見守った。

 千葉県内では、君津市で送電用の鉄塔2基が倒れるなど、広範囲で電柱や電線が損傷。9日朝には最大約64万戸が停電し、19日午後4時時点でも約2万9千戸が復旧していない。住宅被害は少なくとも2万戸を超える見通しで、今後の調査でさらに増える可能性もある。

 袖ケ浦市三箇では、強風で多くの家の屋根や窓が壊れ、ビニールハウスも倒れた。市の要請で、陸自は高齢者宅などにブルーシートを張る作業を続けている。担当する加藤僚3等陸佐(35)は「住民が早く安心して暮らせるように全力で対応したい」と力を込めた。

 君津市立秋元小で14日から陸自の給水支援が始まり、18日までに計約29トンの水が供給された。近くの公民館前では、テント内に仮設風呂を設営し、住民に開放している。

 19日昼に水をくみに来た近所の鶴岡英夫さん(72)は「自衛隊は外国に行って戦争をしてほしくないが、復旧に努力してくれるのはありがたい」と話した。


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