長期戦、疲労濃く 被災職員も奮闘 千葉県内自治体 【台風15号】

東金市で毎朝夕に開かれている対策本部では、市長以下幹部職員や消防、国の職員ら約30人が集まり最新の状況を共有し今後の計画を話し合っている=18日午後7時35分ごろ、東金市役所
東金市で毎朝夕に開かれている対策本部では、市長以下幹部職員や消防、国の職員ら約30人が集まり最新の状況を共有し今後の計画を話し合っている=18日午後7時35分ごろ、東金市役所

 台風15号被害の長期化で、被災者支援をする自治体職員の疲弊も深刻だ。物資の調達やインフラの復旧見込みを巡る千葉県や電力会社との意思疎通は難航し、人手不足も顕在化。自身が「被災者」である職員らも、ぶつけどころのない住民の不安やいらだちに日々最前線で直面。現場には「市民に状況を説明できない」「人員が足りない」などと歯がゆい思いが充満している。

 山間部を中心に停電が続いてきた東金市。地下水を電気ポンプでくみ上げ利用している世帯では、公共上水道の復旧から1週間以上が経過した19日時点でも断水が解消されなかった。そのため市職員のグループが、毎日水の配達を続けた。

 東京電力の同日朝時点の情報では市内の停電は別地域の「100戸未満」のみだったが、日々現場に足を運んでいる市職員の報告によると、周辺でも依然として数十戸が停電していたという。物資を届けた先などでは「いつ電気が通るのか」と厳しく詰め寄られたり「ばか野郎」などと心ない言葉を浴びることも珍しくない。

◆見通しは

 「住民が一番知りたいのは各地区の復旧の見通し。『明日、あさってはここを重点的にやる』という程度の報告は欲しい」と、ある被災自治体の職員は東電に苦言を呈する。ところが役所に詰める東電職員らからは作業の予定は示されない。そうなると住民の問い合わせに答えられない悪循環だ。住民から激しい言葉を浴びた職員は「自分たちが直せるならすぐにでも行きたいぐらいだ」と唇をかむ。

◆県の物資届かず

 県の支援物資も遅れている。台風後最初の3連休(14~16日)の雨予報を受け、事前に県に発注したブルーシートがいまだに届いていない自治体もある。案の定、連休中に一時シートが底を突き、県外自治体など独自のつてを頼ってかき集めるなどの対応に追われた。

 県が用意する電子発注システムに「必要な物資を入力しても対応が遅く機能していない」と指摘する職員も。「反応がないので電話をすると『システムで』と突き返される。今困っているから助けを求めている。せめてその日の夕方までに何らかの返答はしてくれないと」と望む。

◆人手足りない

 山間部などで約4千戸の停電が19日も続いた山武市の職員は、非常事態の長期化に手を焼く。自宅や実家が被災したというある男性職員は「寝る間も惜しみ休憩も取らずやっているが、物資の配達や避難所の運営など現場で動ける『兵隊』が足りない」と疲れた表情。壊れた自宅の扉や愛車の保険見積もりなどは「やっている暇がない」。

 停電地域住民からは「初動が遅い」「自治体としての成熟度が低いのではないか」といった批判も上がる。男性職員は「通常業務もある中で機能していない部分があるのは確か」と明かすが「一生懸命やっているのに伝わってないことが悲しいし、悔しい」とうつむく。「物資を運んでくれる要員だけでもいいので県などが主導し派遣してくれたら」と訴えた。


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