がれきの山 行き場なく 高齢夫婦運べない 市原 【台風15号】

かつて子どもたちの勉強部屋があった場所はがれきの山と化した。あまりの量の多さにごみ処理施設へ運ぶ手段がないという=18日午前10時15分ごろ、市原市今富
かつて子どもたちの勉強部屋があった場所はがれきの山と化した。あまりの量の多さにごみ処理施設へ運ぶ手段がないという=18日午前10時15分ごろ、市原市今富

 「これから引っ越すのはきつい。どうしたらいいのか」

 そぼ降る雨に打たれながら、市原市今富の無職、中(あたり)しず子さん(83)は自宅の庭に山と積まれたがれきを前につぶやいた。

 台風15号で自宅屋根の瓦が吹き飛び、雨漏りが起きた。かつて子どもたちが使っていた離れの勉強部屋は倒壊。室内にあった子どもたちの本や衣類など思い出の品は水浸しになり、廃棄するしかない。がれきも大量に出た。

 夫は昨年、病気が原因で右膝から下を失った。不自由な体のため自動車の運転はもっぱらしず子さんの役目だが、大量の粗大ごみを処理施設まで運ぶのは容易でない。

 市原市が18日開設した「災害相談所」に苦境を訴えたが、市のごみ処理施設は9月以降も受け入れの予約がいっぱい。「いつ何が起きるか分からない。早めに撤去してもらえたら」とうなだれる。

 住まいも大きな被害を受け、一度は転居を考えた。だが、高齢の夫婦2人では「これから引っ越すのは体力的にきつい」。がれきの山と倒壊した家屋の前で中さんは途方に暮れた。

     ◇   ◇

 市原市の災害相談所は市役所本庁舎のほか、各支所でも開設。午前8時半~午後5時で予約は不要。期間は30日までの予定だが、要望があれば延長も検討。市の担当者は「少しでも困っていることがあれば気軽に来てほしい」と呼び掛けている。


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