

台風15号による千葉県内の広域停電で、3連休明けの17日、休校していた各地の小中学校が再開した。千葉市内の小学校で唯一休校が続いていた同市花見川区の市立こてはし台小学校(斉藤健校長、児童410人)でも、約1週間ぶりに授業を再開。教室には歓声と笑顔が戻り、児童からは「友達と会いたかった」と再会を喜ぶ声があがった。
同小と学区となる近隣地域は、ほぼ全域で9日から13日昼ごろまで停電。児童の安全確保が難しく、給食が用意できないことから13日まで休校となっていた。斉藤校長(59)は「子どもたちの声がしない学校はさみしい。明るい声を聞いて安心した」と話した。
児童も久々の登校に笑顔を見せ、3年生の石井樹悠君は「学校がなくてさみしかった」。同学年の小林姫奈さんも「停電で夜は真っ暗になり不安だった。友達と会えて安心した」と久々の登校に声を弾ませた。
ただ、今週中に予定されていた6年生の君津市での農山村留学が11月に延期となるなど、さまざまな影響が出ている。休校で不足が予想される授業時間については「市教委と相談し対応を検討したい」(斉藤校長)とした。
約6千戸の停電が続く八街市でも市立小中学校全13校が発生以来、初めて再開し児童らが笑顔で登校。まだ復旧していない市内の小学校3校には電源車をつないで電気を確保した。南房総市や鋸南町でも一斉に公立小中学校が再開した。
八街市によると、市内の小中学校は9日から休校していた。電源車を使う学校でも、エアコンなどは通常通り使用可能。停電で洗濯ができない家庭も多いことから、汚れ物があまり出ないように授業やクラブ活動を配慮するという。
また、館山市では17日までに、市立小中学校14校のうち13校が再開。中学校1校が16日に降った強い雨で校舎の雨漏りが確認され、再開できなかった。市内では給食センターの屋根が損壊するなどの被害があったという。
◆依然19校が休校
台風15号による停電・断水の影響で、千葉県内の学校は被災から1週間が経過した17日も計19校が休校した。
県内公立1235校(全面再開した千葉市立校除く)のうち休校は18校。君津市、富津市、山武市で多かった。一部休業は76校。給食が手配できず、午前のみで授業を終えるケースもあるという。私立は1校が休校だった。