遅れ目立つ山間部のインフラ復旧 停電、断水、倒木で山武市 【台風15号】

1週間ぶりに診療を再開した平山接骨院では、待ちわびた患者が次々に足を運んだ=17日午後3時20分ごろ、山武市日向台
1週間ぶりに診療を再開した平山接骨院では、待ちわびた患者が次々に足を運んだ=17日午後3時20分ごろ、山武市日向台

 台風15号の上陸から1週間以上が経過した17日になっても、山武市では山間部などを中心にインフラの復旧が見通せない状況だ。東京電力の発表では同日現在、7500戸が停電。断水も多くの世帯で続いているとみられ、市民の日常生活に計り知れない影響が出ている。

 復旧が遅れているのは、旧山武町の全域や旧松尾町の北部などの市内山間部。起伏に富んだ細い道が多く、倒木による被害が顕著だ。10日時点で市が確認しただけでも倒木は155カ所。電線への接触で停電の原因にもなっている。

 また、同エリアは水道の代わりに地下水をくみ上げ利用している家庭も多い。このため、停電でポンプの動力が得られないことなどから、断水も解消されていない。

 被災生活の長期化に伴い市民の不安やいらだちもピークを迎えており、市役所では復旧見通しなどを問い合わせる電話が鳴りやまない。市は情報収集や被災者支援に注力しているが、被災地域が広範囲なことで全貌の把握も難航しているという。担当者は「電気が通れば不安も多少は小さくなる。一日も早く停電を解消するよう東京電力に働き掛けている」と話す。

◆久々の「癒やし」 接骨院が再開

 停電エリアの一つ、日向台地域の「平山接骨院」は17日、1週間ぶりに診療を再開した。電気を使った施術はできないが、同院によると、一帯には高齢者も多く、被災生活の長期化によるストレスで自律神経を乱し体調を崩す患者が目立つ。平山進院長は「当初は通電するまで休診するつもりだったが、復旧見通しが27日と大幅に後退した今、これ以上待てない」と決断した。

 再開初日の午前中は約10人が訪れ、テーピングやマッサージなどを受けた。午後に来院した女性は「ずっと再開を待ちわびていたので本当にほっとした」と足取り軽く家路についた。

 平山院長は20日まで午前10時~午後4時、高齢者に簡単な施術を無料で行う。「体調を崩し遠方の病院に通えない人はぜひ来てほしい」と呼び掛けている。


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