館山市長、組員側に祝儀 屋形船就航記念で5千円 千葉県は桟橋の利用許可

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会見で謝罪する金丸市長=20日、館山市役所
会見で謝罪する金丸市長=20日、館山市役所

 館山市の金丸謙一市長は20日、市役所で臨時記者会見を開き、4月下旬に暴力団組員が関係する屋形船の就航記念イベントに出席し、祝い金として市長交際費5千円を支出していたと発表した。金丸市長は「組員とは全く知らなかったが結果として出席してしまい申し訳ない。脇が甘かった」と謝罪した。千葉県も同屋形船に桟橋利用の許可を出していたことが判明。条例では暴力団組員が関与している場合は許可を出してはならず、県は詳しい経緯を調査している。

 屋形船の運営に携わっていたのは、指定暴力団双愛会系組員(39)=鴨川市。顔見知りの男性漁師に購入させた漁船を巡り、電話で脅して名義を変えようとしたとして、7月下旬に強要未遂容疑で館山署に逮捕され、今月16日に処分保留で釈放された。

 市秘書広報課によると、組員らは4月27日から館山夕日桟橋を発着点に屋形船を運航。同月25日に船内でオープニングイベントを開いた。同課は船のおかみを名乗る人物から市長のイベント参加を求められ、市の観光振興につながる事業で、予定が空いていたことなどから市長の出席を決めた。

 金丸市長によると、イベントには館山商工会議所の会頭ら約40人が参加。市長は組員夫婦と向かい合わせに座り、館山湾内を周遊しながら1時間程懇談したという。金丸市長は「組員とはイベントで初めて会った。(逮捕の)新聞報道で組員と分かり驚いた」と釈明した。

 祝い金は市交際費支出基準に基づき、出席依頼申請書に記載があった法人宛てに公金5千円を支出。同課は「申請書に組員の名前はなかった。今後、法人と組員の関係性を調査し、弁護士と相談した上で対応したい」と説明するにとどまった。

 市は再発防止策として、今後新たな団体や個人から要請があった場合は登記簿や業績などを確認し、慎重に判断するとした。

 屋形船事業を巡っては、運航会社が関東運輸局から運航許可を受け、桟橋の使用や停泊についても県安房土木事務所から許可を受けていた。県港湾管理条例は、暴力団組員らが事業を「支配」しているなどの場合、桟橋利用などの申請を許可してはならないとの欠格要件を定めている。同事務所によると、申請書類は別の男性名義で問題の組員の名前はなく、欠格要件に該当しないとする誓約書も入っていた。同事務所は千葉日報社の取材に「現在、詳細の調査を進めている」とした。