4年連続殺処分ゼロ 乳のみ猫育成、命つなぐ 千葉市動物保護指導センター

育てた子猫の特徴を譲渡会の参加者に説明するボランティア=6月24日、千葉市稲毛区の同市動物保護指導センター
育てた子猫の特徴を譲渡会の参加者に説明するボランティア=6月24日、千葉市稲毛区の同市動物保護指導センター

 捨て犬や捨て猫を収容する千葉市動物保護指導センター(千葉市稲毛区)が、2015年度から犬猫の殺処分ゼロを継続している。従来なら安楽死させることもあった子猫を一時的に育てる「乳のみ猫育成ボランティア」の存在が大きい。「不幸な子を1匹でも減らしたい」と、小さな命を新しい飼い主につないでいる。

 「この2匹は兄弟なんですよ」「すごく人懐こくて」。子猫の愛らしい鳴き声が響く同センターの一室で、猫の譲渡会は始まった。ボランティアの市民6人が預かっていた子猫を持ち寄り、訪れた男女12人にそれぞれの性格を説明する。“お見合い”の末、この日は8匹中5匹が新しい家族と巡り合えた。

 同センターによると、収容される犬猫の中でも特に多いのが、捨てられたり親とはぐれたりした生後間もない子猫たち。繁殖期の春から夏を中心に、ピーク時には「ほぼ毎日」といっていいほど持ち込まれる。殺処分は飼い主が見つからない時や、傷病で予後不良の場合などに行われるが、こうした“乳のみ猫”を救わない限りゼロにはならない。

 県内に殺処分を行う施設は県と千葉、船橋、柏市にあるが、年間を通じて0件を達成したのは千葉市のみだ。

 千葉市動物保護指導センターでは、15年度から導入した育成ボランティア制度が効果を上げた。生後すぐの子猫は昼夜を問わず3~4時間ごとにミルクやりが必要で、職員だけで世話をするのは困難。そこで、離乳する生後1カ月半ごろまで育ててくれるボランティアを募集した。全国的にも先駆的な取り組みだったといい、現在は市内外の約40人が登録している。

 市政だよりを見て15年度から続ける稲毛区の永島美鈴さん(51)は「病気の子猫は夜でも1時間おきに面倒をみた。新しい家族のもとで幸せになってくれていると思う」とやりがいを実感。4月から家族と一緒に世話をする美浜区の釘嶋美誉子さん(46)も「新しい飼い主から元気そうな写真が送られてきて『良かった』と思った。不幸な子が1匹でもいなくなれば」と、取り組みの輪が広がることを願う。

 かわいがるだけでなく、トイレのしつけをしたり、ミルクの量や体重を記録してセンターに報告したりと、責任を持って養育するボランティア。譲渡会で子猫の引き取りを決めた若葉区の女性(39)からは「初めて生き物を飼うけど、助言をもらえてありがたい」と感謝の声も聞かれた。新しい飼い主に命をつなぐ“橋渡し”の役割を、ボランティアは果たしている。

 同センターの大友慎二所長(58)は「ミルクやりが必要な子猫は多くの手間が掛かる。助けるためにはどうしてもボランティアの力が必要」と説明した。

◆千葉市の犬猫の収容・殺処分数 収容数は不妊手術事業などで減少傾向にあり、昨年度は犬116匹、猫275匹が搬入された。このうち、犬猫合わせて54匹が病気などで死んだ。殺処分は14年度の犬猫計2匹を最後に実施していない。市内だけでなく市外でも新たな飼い主を探す譲渡ボランティアなどの活動も殺処分ゼロに貢献しているという。


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