児相判断「問題」と識者 子ども守る“行動”なし 野田小4死亡

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 野田市立小4年の栗原心愛さん=当時(10)=が死亡した虐待事件で、心愛さんが父、勇一郎被告(41)=傷害致死罪などで起訴=から性的虐待を受けていた疑いを把握しながら、県柏児童相談所が一時保護を解除して最終的に帰宅を認めた判断に対し、識者からは14日、「父の元に帰すべきではなかった」と問題視する声が上がった。

 児相の勤務経験がある東京通信大の才村純教授(児童福祉論)は、「やめてよ」と拒否した心愛さんに勇一郎被告が「ばれるだろ」と発言したとされることを挙げ「性的虐待の被害を漏らせば『家庭が崩壊するぞ』と脅しているように感じる。児相は常習性の有無をもっと丁寧に調べるべきだった」と指摘した。

 児相が母、なぎさ被告(32)=傷害ほう助罪で起訴=もドメスティックバイオレンス(DV)を受けていた可能性を把握していた点に触れ「性的虐待もDVも弱い者を支配下に置くという精神構造は同じ。母親の助けを得ることが難しい中で、保護を解除したのは問題だ」と批判した。

 元児相所長でNPO法人「児童虐待防止協会」の津崎哲郎理事長は「性的虐待の疑いがある場合、父の元に帰さないのが大前提だ」と述べた。「子どもを守る自覚や責任があれば、弁護士や警察に相談するといった当然取るはずの行動が、今回は全くなかった」とも言及。「児相は虐待から子どもを守る最後のとりでだ。子どもの立場からすれば、助けを求めてもこうなってしまうという事例を作ってしまった罪は大きい」と話した。