野田の病院理事長逮捕 医薬品横流し、海外流通か

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肝治療処方薬の無許可所持事件で県警は医薬品医療機器法違反容疑で野田市の医療法人理事長を逮捕。違法と知りながら横流ししたとみている。
肝治療処方薬の無許可所持事件で県警は医薬品医療機器法違反容疑で野田市の医療法人理事長を逮捕。違法と知りながら横流ししたとみている。
医療法人社団「喜晴会」理事長の八木禧徳容疑者(左)=12日午後5時47分、野田市二ツ塚の野田中央病院
医療法人社団「喜晴会」理事長の八木禧徳容疑者(左)=12日午後5時47分、野田市二ツ塚の野田中央病院
押収された肝臓治療の処方薬「ラエンネック」=13日午後、野田署
押収された肝臓治療の処方薬「ラエンネック」=13日午後、野田署

 肝機能の改善治療に使う処方薬「ラエンネック」を販売目的で許可なく所持したとして、医薬品医療機器法違反容疑で男5人が12日に逮捕された事件で、千葉県警生活経済課と野田署などは13日、野田市二ツ塚の野田中央病院を運営する医療法人社団「喜晴会」理事長で医師、八木禧徳容疑者(73)=同市中野台鹿島町=を同法違反容疑で逮捕した。

 同課によると、容疑を認め「違法と分かっていた」と供述。個人的にラエンネックを横流しして利益を得ていたとみられる。

 逮捕容疑は、既に逮捕された無職、浅田一弘容疑者(72)=東京都北区=ら3人と共謀し1~2月、販売に必要な許可なくラエンネック約3万管(1管2ミリリットル)を病院内に保管した疑い。

 病院で正規に処方するものとは別に八木容疑者が管理・保管し、受け取りにきた浅田容疑者らに渡していた。浅田容疑者は、同法違反容疑で12日に逮捕された「宏達商事」(埼玉県川口市)の役員ら中国人の男2人に転売していたとみられる。

 他にも医薬品を違法に取引していた疑いがあり、県警は、高値で扱われる海外へ売却していた可能性も視野に流通経路を調べる。

 製造元などによると、ラエンネックは人間の胎盤に由来する成分を含み、肝機能の改善などの効果がある一方、美容目的で使われることもある。

 県警は12日に病院や八木容疑者宅などを家宅捜索し、任意で事情を聴いていた。

◆負債転じ「羽振りいい」 理事長

 野田中央病院を運営する医療法人社団「喜晴会」の理事長で医師、八木禧徳容疑者(73)は、医薬品医療機器法違反容疑で逮捕された13日も病院に出勤していた。喜晴会は過去に多額の負債を抱えた時期もあったが、周辺住民からは「羽振りが良かった」との声も聞かれた。

 昨年末に病院で健康診断を受けたという50代女性は「高級車に乗って通勤していた。ずいぶん羽振りがいいんだなと思っていた」と振り返る。

 野田市の自宅近くの住民らによると、八木容疑者は10年以上前に妻子と別居し、1人で暮らしていた。近所の女性は「奥さんが出て行ってから、近所付き合いはほとんどない」と話す。

 民間の信用調査会社によると、周辺病院との競合による患者数の伸び悩みなどから経営が悪化し、千葉地裁が2005年、民事再生手続きの開始を決定。負債総額は十数億円だったが、既に手続きを終えた。

 病院のホームページによると、1996年に開院し、00年に移転。内科や外科などがあり病床数は34で人工透析センターも併設している。