虐待死、父3回目逮捕 児相保護前暴行の疑い 「覚えてない」否認 野田小4女児死亡

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 野田市立小4年の栗原心愛(みあ)さん(10)が自宅浴室で死亡した虐待事件で、千葉県警は8日、県柏児童相談所が一時保護する前の2017年11月に心愛さんの頭部を殴るなどしたとして、暴行容疑で父親の勇一郎容疑者(41)=同市山崎、観光団体職員、傷害致死罪などで起訴=を再逮捕した。逮捕は3回目。県警によると、「はっきり覚えていない」と容疑を否認している。心愛さんは同時期に学校が行ったアンケートで、勇一郎容疑者から暴力を受けていると訴えていた。

 再逮捕容疑は17年11月上旬、自宅で当時9歳だった心愛さんの頭や顔を手で殴るなどした疑い。

 県警は、児相の記録や関係者の聞き取りなどから、暴行容疑を立証できると判断。暴行を裏付ける画像を勇一郎容疑者から押収していた。容疑者のスマートフォンに心愛さんへの暴行に関係する複数の画像などが残されていたことが分かっている。

 心愛さんは市内の別の学校に通っていた同11月6日、学校アンケートに「お父さんにぼう力を受けています。先生、どうにかできませんか」と助けを求め、学校へ「父に背中や首をたたかれる。顔をグーでたたかれる」と打ち明けた。

 右頰にたたかれたような痕があり、児相は同12月27日まで一時保護。心的外傷後ストレス障害(PTSD)の疑いがあるとも診断された。市教育委員会は18年1月、容疑者の要求に応じ、アンケートの回答のコピーを渡していた。その直後、心愛さんは亡くなった当時の学校に転校した。

 勇一郎容疑者は児相に対し虐待を認めず、母親のなぎさ被告(32)=傷害ほう助罪で起訴=は「よく分からない」と答えていた。県警はこの時期のなぎさ被告の関与はないとみている。

 児相は今年1月の会見で、一時保護時にあった心愛さんの右頬のたたかれたような痕について「すぐ消えるぐらいのものだった」とし、虐待が疑われていながら警察に通報しなかった理由を「傷害事件と考えていなかった」としていた。

 県児相と県警が締結している協定では、児相から警察に提供する情報の項目に「刑事事件として立件の可能性がある事案」と表記されている。県や市の検証委員会が対応の妥当性を調査する。

 勇一郎容疑者は心愛さんが今年1月24日に死亡する2日前から、顔に冷水シャワーを掛け続けるなどして飢餓や強いストレス状態にさせた上で死なせ、18年末から年始の暴行で胸を骨折させたとして、傷害致死と傷害罪で起訴。暴行を「しつけ目的だった」と話したという。なぎさ被告は、暴行を制止しなかったとして傷害ほう助罪で起訴された。