「真摯に受け止め協力」 行政指導に野田市教委 野田小4女児死亡

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野田市が公開した、栗原心愛さんが父からの暴力被害を訴えた学校アンケートの自由記述欄(共同)
野田市が公開した、栗原心愛さんが父からの暴力被害を訴えた学校アンケートの自由記述欄(共同)
栗原心愛さん
栗原心愛さん

 野田市立小4年の栗原心愛さん(10)が死亡した事件で、1日に文科省生徒指導室長から口頭での行政指導を受けた市教委の長妻美孝学校教育部長は面談後の取材に、「行政指導は真摯(しんし)に受け止めている。二度とこのような事件が起きないよう全力で取り組む」と指導に従い、県の第三者委員会などによる検証に全面的に協力する姿勢を示した。

 心愛さんが2017年11月に学校アンケートで「お父さんにぼう力を受けています。先生、どうにかできませんか」と回答。市教委が父親の勇一郎容疑者(41)=傷害容疑で逮捕=に回答のコピーを渡したことを問題視した文科省が、市を直接訪問して聞き取り調査する事態に発展した。

 文科省の松木秀彰室長はコピーを渡した行為を「不適切な行動」「虐待のリスクを高めた可能性がある」と非難。長妻部長は取材に「大切なお子様の命を失ったことは痛恨の極み。決してあってはならない」と猛省姿勢を示した。

 約1時間の聞き取りでは、同級生を失った子どもたちの心のケアにも話が及び、長妻部長は「心のケアの具体策はこれから。もう少し時間をいただき、次のステップに進みたい」と述べ、当面は常時配置しているスクールカウンセラーらで対応する考えを述べた。

◆アンケート回答写し公開

 野田市は1日、心愛さんが記入したアンケートのコピーを公開した。欄外には「きのうたたかれた 今もいたい」「お母さんがやられていた」など、回答の翌日に担任が心愛さんから聞き取った際の詳細なメモも記されていた。

 メモには、「お母さんは味方してくれるが父は保護者だと言って母の言うことを聞かない」「沖縄ではお母さんがやられていた」など、勇一郎容疑者が妻(31)にも暴力を振るっていたことを示す記載があった。「お母さんがいない時背中を蹴る」「殴られる10回(こぶし)」などの書き込みもあった。

 アンケートは2017年11月6日、心愛さんが記入。翌7日に担任が聞き取りを行い、心愛さんは同日中に千葉県柏児童相談所へ一時保護された。

◆虐待発見態勢の点検通知 千葉県教委

 野田市立小4年の栗原心愛さん(10)が死亡した事件を受け、千葉県教委は1日、虐待の発見に向けた取り組みに不十分な点がないかを改めて点検するよう、各市町村教委や県立学校長などに通知した。

 ただ、心愛さんが「お父さんにぼう力を受けています。先生、どうにかできませんか」と回答した学校アンケートのコピーを、野田市教委が父親の勇一郎容疑者に渡した問題についての注意喚起はしなかった。県教委児童生徒課は「市の(個人情報保護)条例に違反した問題であり、対応は各自治体の仕切りでやっていくもの」とし、行政の管轄事項との認識を示した。

 一方、独自権限を持つ千葉市教委は、教員不祥事の再発防止に向けて全市立学校にメール送信予定だった文書に、今回の問題を加える形で注意喚起する方針だ。「毎年行っているいじめアンケートの情報の取り扱いや、公務員としての守秘義務の徹底を呼び掛ける文言を入れる方向で検討中」(担当者)という。今月中にも通知する予定。