<野田小4女児死亡>市教委「命守れず」 威圧的態度に言いなり 専門家から疑問の声も

 「お父さんにぼう力を受けています。先生、どうにかできませんか」。野田市の栗原心愛さんが発した秘密のSOSは、暴力の相手だと訴えた父に筒抜けになっていた。子どもを守るべき立場にありながら、威圧的な態度で迫る父の言いなりになった形の市教委に、専門家から疑問の声が上がる。
 
 「一時保護に親族一同大変憤慨している。訴訟を起こす」。傷害容疑で逮捕された父、勇一郎容疑者が母(31)と野田市教育委員会を訪れたのは2018年1月12日。アンケート内容から県柏児童相談所が心愛さんを一時保護し、解除した約2週間後だった。
 
 ボイスレコーダー(音声記録装置)を机に置き、アンケートのコピーを渡すよう迫る容疑者に市教委の職員らは恐怖心を抱く。いったん拒否したが、1月15日、心愛さんの「同意書」を持って容疑者が再び訪問。母親も本人のものと認めたためコピーを渡した。
 
 アンケート用紙は注意書きで「ひみつをまもりますので、しょうじきにこたえてください」と呼び掛けていた。
 
 元児童相談所長でNPO法人「児童虐待防止協会」の津崎哲郎理事長はコピーを渡した行為を「一時保護が解除された後で、子どもへの攻撃が強まる可能性があった。要求があった時点で児童相談所に連絡するなどの対応を取るべきだった」と指摘する。
 
 津崎さんによると、家庭に介入してくる行政の面会を拒むなど、子どもの保護を巡る親とのトラブルは多い。「一時保護などの仕組みを丁寧に説明し、行政を脅したり無視したりすることで要求は通らないと理解させることが重要だ」とした。


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