退職巡りトラブルか 逮捕の容疑者、被害者宅の状況把握も 佐倉会社役員殺害

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会見する佐々木幸司佐倉署長(左)と徳田文則捜査1課長=18日、佐倉署
会見する佐々木幸司佐倉署長(左)と徳田文則捜査1課長=18日、佐倉署
岩井さんが殺害された現場マンション=佐倉市ユーカリが丘4
岩井さんが殺害された現場マンション=佐倉市ユーカリが丘4

 佐倉市ユーカリが丘4の高層マンションで会社役員、岩井二郎さん(75)が殺害された事件は、強盗殺人容疑で会社の部下だった無職、高野和彦容疑者(54)=同市上座=が18日逮捕された。高野容疑者は、車で岩井さんの送迎を担当していて日常的にマンションを訪れており、岩井さん宅の状況を把握していた可能性がある。また今年3月に会社を退職した際、トラブルになっていたとの情報もある。県警は退職を巡る不満が事件の背景にあるとみて、動機を調べる。

 佐倉署捜査本部などによると、高野容疑者は、昨年10月から岩井さんが経営する船橋市内の日本語学校の職員になり、主に運転手として岩井さんの身の回りの世話もしていた。送迎される岩井さんをマンション住人が目撃しており、岩井さんは足が悪く、つえを突いてゆっくりと歩いていたという。

 高野容疑者の知人男性は、岩井さんについて高野容疑者が「わがままなんだよな」と、話しているのを聞いたことがあるという。

 捜査本部は、防犯カメラの映像で岩井さんの生存が確認できた11月23日午前9時59分から、会社の従業員が遺体を見つけた25日午後1時半ごろまでの間に殺害したとみている。高野容疑者が23日、他の住人の後をついて行くようにして、オートロックのマンション1階玄関から入る姿を防犯カメラで確認しているが、マンションから出た日時は明らかにしていない。

 現金約20万円の強取が判明した経緯や、岩井さんを殴打した凶器なども明らかにしていないが、目立った物色の跡はなかったという。

 捜査本部は高野容疑者が持病のため入院し、退院した18日に逮捕した。近くに住む女性(75)によると、高野容疑者が自宅から救急搬送されることが複数回あったという。

 高野容疑者について女性は「にこにこした表情であいさつしてくれた。夫婦で仲良く明るい印象で、こんなことをする人には見えなかった」。別の女性(64)は、インターネットのつなぎ方が分からず困っていた孫を助けてくれたといい「優しそうな人。信じられない」と驚いていた。

 岩井さんが経営していた日本語学校は「亡くなった理事長は学生のことを一番に考えていた。真相について分からないことが多く、今後の情報を待ちたい」と、代理人弁護士を通じてコメントを出した。

 岩井さんと同じマンションの住人からは安堵(あんど)の声が聞かれた。6歳の男の子がいる30代主婦は「小さい子どもがいて不安だったが、解決してほっとした」と、容疑者逮捕に胸をなで下ろした。