被災地支援県内も続々 「状況分からず心配」 日赤は機材点検 【北海道震度7】

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被災地への出動に備え、救護テントなどの機材を緊急点検する職員=6日午後3時26分、千葉市中央区の日本赤十字社県支部
被災地への出動に備え、救護テントなどの機材を緊急点検する職員=6日午後3時26分、千葉市中央区の日本赤十字社県支部
食料品や電池などを買うため、札幌市清田区の店に列をつくる人たち=6日午後
食料品や電池などを買うため、札幌市清田区の店に列をつくる人たち=6日午後

 6日未明、北海道の厚真町で震度7を観測した地震で、北海道の中学生修学旅行を受け入れている南房総市の岩井民宿組合の青木敏夫組合長(59)は「被害状況が分からず心配」と被災地を思って、表情を曇らせた。県警は同日中に広域緊急救助隊40人を派遣し、日本赤十字社(日赤)千葉県支部では出動要請に備え、救護テントの緊急点検などを急いだ。

 千葉県警は6日、警察庁経由で派遣要請を受け、広域緊急援助隊40人を北海道に派遣した。茨城・大洗発のフェリーで現地入りし、9日までの予定で人命救助に当たる。

 日本赤十字社県支部によると、成田赤十字病院(成田市)の医師や看護師らで構成する救護班や同支部の職員が緊急の出動に備えている。日赤では北海道支部や秋田県支部などの救護班に出動を求めており、被害拡大や長期化などで現地派遣される見通し。

 同日の緊急点検では、野外での手術が可能な救護用テント「DRASH(ドラッシュ)」や、医薬品や冷蔵庫などの救護品を積載できる特殊車両の動作を確認。千葉県支部救護福祉課の青木英憲さん(34)は「停電もあり、熱中症や被災者のメンタル面も心配。出動へ万全の体制を整える」と話した。

 鎌ケ谷市の鎌ケ谷スタジアムを拠点にする北海道日本ハムファイターズ2軍は6日、札幌市の本部と連絡を取っているとしつつ、「被害など今後の推移を見守るしかない」と心配そうに話した。

 鎌ケ谷市の清水聖士市長は「従前から北海道の皆さんと親しく交流しているので、大変心配。チームに対し、できる限りの支援をしたい。一日も早い復興を願っている」とコメント。

 千葉県獣医師会は、動物の治療や避難所に入れないペットを管理する獣医師の派遣体制を整える。日本医師会からの要請があれば対応する予定で広山健一専務理事は「現地の獣医師が被災している可能性があり必要なら協力する」と話した。

 北海道日高町で育った一宮町の元県立高校教員、松田憲幸さん(67)は、震度6強の安平町には、親戚らがおり「安平でも被害が出ているようで心配。知り合いには朝から電話をかけているがつながらない。もどかしさが募る」と話した。

 また、釧路市とスポーツ交流する八千代市は、釧路市の担当者に電話で見舞い、「『停電で困っている』との話だった」と被害を心配した。

 館山市内で北海道直送の飲食店「海の四季」を経営する吉野節子店主(55)は、道内の停電により情報を得られないことを心配し、6日朝から北海道の直売店や知り合いへ、ニュースなどで得た被害状況を無料通信アプリLINE(ライン)で知らせた。

 飛行機の欠航により、カキやカニなどの仕入れはできず、停電が長引けば水揚げした魚介類の保存もできない。「電気や飛行機が復旧したら、北海道から仕入れることで、復興支援につなげたい」と話した。

◆イオンは水、食料など販売 宅配各社は荷受け停止

 震度7を観測した北海道での地震を受け、工場停止や店舗休業を強いられた各社は早期復旧に向け、設備の点検を急いだ。ただ、停電からの全面復旧には少なくとも1週間かかるとされ、企業活動への影響は長期化する恐れがある。宅配大手各社は北海道向けの荷受け停止を相次ぎ発表し、物流にも影響が出ている。

 佐川急便は北海道全域での集荷、配達の見合わせと北海道向けの荷受けを停止。日本郵便も北海道向けや北海道内で、ゆうパックなどの荷受けを止めた。ヤマト運輸は北海道から道外へ届ける荷物の荷受けを見送った。

 トヨタ自動車は変速機を生産している子会社のトヨタ自動車北海道の工場(苫小牧市)の操業について、電力確保の見通しがつかないため6日の日中に続き夜間以降も当面、停止することを決めた。

 イオンは、イオン北海道が道内で展開する約40の総合スーパーを営業し、店頭で水や食料品などを販売した。

 キリンビールの北海道千歳工場(千歳市)でも停電が生じ、6日の工場見学は中止した。

◆創業の地復旧後押し サッポロビール千葉工場

 サッポロビール千葉工場によると、サッポロビール北海道工場は停電の影響で生産を中止したという。千葉工場の担当者は「創業の地の北海道で、一日も早い復旧を後押ししたい」と支援姿勢を示した。

◆修学旅行受け入れの南房総市 無事祈る民宿組合

 北海道から中学生の修学旅行を受け入れている南房総市の岩井民宿組合は6日、「情報を集めているが、被害状況がつかめず心配」と気をもんだ。

 同組合によると、北海道からの修学旅行は2009年から始まり、地域の民宿約30軒がクラスの男女ごとに分宿で受け入れている。生徒らは「地引き網」「干物作り」などを体験。10年には5市町12校が訪れた。東日本大震災により一時中断したが、今年は北海道恵庭市と三笠市から中学3校を受け入れた。

 同組合の青木敏夫組合長が経営する「御目井戸荘」には、恵庭市立恵庭中の生徒約15人が宿泊。ウミホタルの観察をしながら交流した。「今年の3校とは連絡が取れて、無事を確認できた」と安心した表情を見せた。

 北海道へは、同市観光協会と合同で毎年10~11月に誘致活動を展開しているが、今年は延期する方針。青木組合長は「被害状況の様子を見て、組合員に声を掛けて支援したい」と話した。