「残虐性を認めて」 現場で献花、署名も継続 控訴審向け 父ハオさん <松戸女児殺害>

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リンさんが見つかった現場近くで線香を上げる父親のハオさん=24日、我孫子市北新田
リンさんが見つかった現場近くで線香を上げる父親のハオさん=24日、我孫子市北新田
リンさんが見つかった現場近くに設けられたほこらにある遺影。周囲にはぬいぐるみも
リンさんが見つかった現場近くに設けられたほこらにある遺影。周囲にはぬいぐるみも

 松戸市立六実第二小3年だったベトナム国籍のレェ・ティ・ニャット・リンさん=当時(9)=が昨年3月に殺害された事件で、父親のレェ・アイン・ハオさん(36)が月命日の24日、リンさんが遺体で見つかった我孫子市の現場で献花し、千葉地裁の無期懲役判決に「納得できない」と改めて不満を示した。控訴審に向けては「(事件の)残虐性を認めてほしい」との思いを打ち明けた。ハオさんは、渋谷恭正被告(47)に極刑を求め、4回目の署名活動を始めたことも明らかにした。

 朝から雨が降ったりやんだりする中、ハオさんはスーツ姿で遺体発見現場を訪れた。リンさんをまつったほこらに線香を上げ、静かにたたずむと、「リンちゃんがこの世界からいなくなって、ちょうど1年5カ月。あの日も雨が降っていた」と言葉を振り絞った。

 先月6日、欠かさず出廷した地裁で判決が言い渡された。「渋谷被告が犯人」と認定されたが、検察側が主張した犯行の特異さや残酷さ、一定の計画性については「立証が十分でない。死刑が真にやむを得ないとまでは認められない」と判断され、求めていた死刑判決が言い渡されることはなかった。

 ハオさんは改めて「(判決で)残虐性は認められなかった…。本当に納得できない。計画性も立証してほしい」と地裁判決への不満を表明し、控訴審で立証されるよう求めた。リンさんの幼い弟が「リンちゃん、起きて学校行って」「遊びたいよ」と話し掛けているといい、苦しい胸の内も明かした。

 地裁での極刑判決を求めた3回の署名活動では、日本やベトナム、他国から合わせて117万人以上の署名が集まった。「死刑判決を求める。準備ができたら街頭にも行きたい」。東京高裁での控訴審に向け、再び署名活動を始めた。

 現場では、たくさんの実を付けたブドウをリンさんに供えた。「早くできないかな」とリンさんが庭で大切に育てていた樹に実ったブドウだ。ただ、収穫できたのは事件後で、リンさんが口にすることはなかった。

 ハオさんは、元気に走るリンさんを捉えた遺影を見つめ、「お気に入りの靴。まだ見つかっていない。返してほしい」と声に怒りを込めた。行方不明になった時に履いていたピンク色の靴は戻っていないという。