苦悩の1カ月 裁判員「感情に流されず判断」 【松戸女児殺害無期判決】

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無期懲役の判決を言い渡された渋谷恭正被告(右)と判決を見守る女児の父親のハオさん(中央)(イラストと構成・勝山展年)
無期懲役の判決を言い渡された渋谷恭正被告(右)と判決を見守る女児の父親のハオさん(中央)(イラストと構成・勝山展年)

 レェ・ティ・ニャット・リンさんが殺害された事件の裁判員裁判で、渋谷恭正被告への「無期懲役判決」を出した裁判員のうち補充員を含む30~60代の男女4人が6日、閉廷後に記者会見し「感情に流されず、冷静に判断した」と判決に至る評議の難しさと苦悩を打ち明けた。

 被告が無罪を主張する難しい裁判で、審理した裁判員は、亡くなったリンさんや遺族への思いを抱きつつも、「公正な判断について考え続けた」と6月4日の初公判からの1カ月を振り返った。

 会社員の30代男性裁判員も「死刑か無期懲役か相当悩んだ。法解釈や正義と感情の折り合いを付け、一つ一つ検証した。裁判長から明確な正解はないと言われ、市民目線を貫いた」と苦悩を打ち明けた。

 娘がいる40代男性裁判員は渋谷被告に対し「反省して遺族に謝罪してほしい」と訴え、40代女性裁判員は「法廷での様子からは分からなかったが、渋谷被告は罪を理解していてほしい」と求めた。

 公判で渋谷被告が「(リンさんが亡くなったのは)親の責任だ」と述べたことに、補充裁判員の60代女性は「ひどいと思い、感情に流されそうになった。それでもほかの裁判員と話し合い、冷静さを保った」と公正な判断に納得した様子だった。

 一方、傍聴した市川市の無職、内山哲夫さん(68)は「遺族の気持ちを考えると、無期懲役という判決は悔しい気持ちでいっぱい」と話した。