「まだ天国行けない」 両親、怒りあらわ 渋谷被告は身じろぎせず 松戸女児殺害無期判決 

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判決後、リンさんの写真を前に記者会見する父親のハオさん=6日、千葉県庁
判決後、リンさんの写真を前に記者会見する父親のハオさん=6日、千葉県庁

 当時9歳だったレェ・ティ・ニャット・リンさんが殺害された事件の裁判員裁判で6日、殺人などの罪に問われた渋谷恭正被告(47)に言い渡された判決は無期懲役だった。極刑を求め被害者参加人として、先月4日の初公判から欠かさず出廷してきた父親のレェ・アイン・ハオさん(36)は判決後、「残念で本当に悔しい。リンちゃんはまだ天国に行けない」と思いに反する判決に肩を落とし、高裁での死刑判決を求めた。

 渋谷被告はこれまでの黒色ジャージー姿から一転、白色の半袖ポロシャツ姿。ゆっくりとした足取りで証言台の前に座った。野原俊郎裁判長から起立を求められ、名前を問われると「渋谷恭正です」とはっきりした声で答えた。

 「主文、被告人を無期懲役に処する」。野原裁判長が判決を宣告すると傍聴席がざわついたが、渋谷被告は背中を丸め正面を見つめたまま。無罪主張する被告に対し野原裁判長は「被告人の弁解は信用できない」「犯人であると認められる」と次々と主張に対する裁判所の判断を告げていった。

 身動き一つせず、感情を表さなかった渋谷被告と対照的に、リンさんの両親は悔しさをにじませた。

 「真実を知りたい」と被害者参加制度を利用して、裁判を見届けた父親のハオさんは、検察側が求刑した「死刑」ではなく、「無期懲役」の言葉に、傍聴席から見えないよう仕切られたついたて内の妻、グエン・ティ・グエンさん(31)に視線を向け、小さく横に首を振った。判決の言い渡しが終わると、ハオさんは突っ伏し両手で机をたたき怒りをあらわにした。

 公判で「自分の命と同じぐらい大切。本当に悲しくて耐えられない」と苦しい思いを抱えながら証言台で語っていたハオさん。幼い弟は姉の帰宅を待ち続け、食卓にはリンさんの食事も並べる。「(判決を)待っていることしかできない」ともどかしさを抱え、街頭で極刑を求める署名活動も続けた。

 判決後、両親は記者会見で悔しさを隠さなかった。ハオさんは「これからどうすればいいのか。リンちゃんはまだ天国に行けない」と憔悴(しょうすい)した表情で語り、グエンさんも「納得できない」と語った。

 数日後にリンさんが眠るベトナムの墓に向かうつもりで、「犯人ははっきり分かったと(リンさんに)報告する」とハオさん。グエンさんはまな娘に約束した「ちゃんと死刑にできるようにし、署名活動を続けたい」。2人は検察側に控訴したい意向を伝えた。